仕事の効率はデスクのレイアウトで決まる!?
最適な配置の選び方とは
業績を上げている企業は往々にして、デスクの並び方にも工夫をほどこしています。
企業ごとに、そうしたデスクレイアウトの工夫はさまざまです。
それは、業種や作業内容によって効率的なレイアウトが変わってくるからです。
また、デスクの配置によって従業員のモチベーションが変わってくる場合もあります。
業務効率化を考えている企業では、デスクのレイアウトにもこだわってみましょう。
この記事では、デスクレイアウトの種類やポイントを解説していきます。
デスクのレイアウトで仕事が効率化する!?
業務効率化とデスクレイアウトには密接な関係があります。
まず、机の配置によって従業員の仕事へのモチベーションが変わってきます。
動線が確保されており、解放感のある配置で仕事をしているとストレスも少なくなるからです。
ただし、営業職など社内にいる時間が少ない業種も少なくありません。
単純に社員数の机を並べるだけでは空間がもったいなくなる場合も出てきます。
デスクレイアウトでは「誰をどの位置に動かすか」も考慮しましょう。
業務内容によって机の配置を決めると空間を有効利用しやすくなります。
たとえば、社内を頻繁に行き来するクリエイティブ職なら、移動の邪魔にならない場所をあてがいましょう。
また、リーダー職は部下が見渡せる位置をあてがうのが理想的です。
デスクレイアウトが整理され、従業員が仕事しやすい環境になれば、仕事の効率が上がり業績アップにもつながります。
デスクレイアウトの種類
社内のデスクレイアウトを決める際には、基本的な形を理解しておきましょう。
まず、部署ごとに集まる「島型」は多くの企業で採用されています。
部署内でも細かくチームごとに島をつくるなどすれば連携が取りやすくなります。
次に、学校のように全員が同じ方向を向く「同向型」も一般的な形のひとつです。
オペレーティング業務など、集団で同じ業務を行う際にぴったりです。
全員がお互いに背を向ける「背面型」を取り入れている企業もあります。
従業員間のプライバシーを守りたいなら適したレイアウトでしょう。
また、固定の席を設けずに、誰がどこのデスクを使ってもいいスタイルである「フリーアドレス型」もあります。
従業員のコミュニケーションが円滑になる一方、リーダーの配置が難しくなるのはデメリットです。
そのほか、個々がブース仕様になって集中力を高められる「ブース型」、スペースを有効活用できる左右対称で互い違いの「クラスター型」などがあります。
デスクレイアウトを決める際のポイント
いざデスクレイアウトを考えるときは、3つのポイントを踏まえます。
まず第1に「業務内容」です。
コミュニケーションが重要な部署であれば島型、フリーアドレス型が有効でしょう。
一方、個々人が作業に没頭したいならブース型などにする必要があります。
第2に「部署ごとの働き方」です。
たとえば、一般的な事務職なら従業員ごとに自分の作業へと集中している傾向があります。
しかし、業務内容などによっては事務職同士が積極的に話し合い、一緒に作業を進めていくケースも出てくるでしょう。
部署だけでレイアウトを決めつけず、「どのように働きたいか」までを考慮するのが合理的です。
そして、第3に「オフィス全体の方針」です。
すべての従業員のプライバシーを大切にする方針を掲げているのに、特定の部署だけ島型などになっていると矛盾が生じます。
3つのポイントのうち、どれを優先するかでしかるべきレイアウトは見えてきます。
基準寸法を知ってレイアウトしよう!
デスクレイアウトでは「基準寸法」も参考にしましょう。
基準寸法とは、業務や移動のスペースで最低限確保したい寸法のことです。
基準寸法を満たしていないと窮屈な思いをしながらストレスを抱えて仕事をすることになりがちです。
また、スムーズな動線も確保できません。
すべての従業員が基準寸法を満たせるようにして、デスクレイアウトを考えるようにしましょう。
まず、デスクの基準寸法は机や椅子を合わせて「1350~1600ミリ×1200ミリ」が理想です。
これは、人が着席して問題なく机上で作業を行えるだけの寸法です。
次に、通路の基準寸法は「幅800ミリ」ですが、スムーズに人がすれ違うためには「1350ミリ」は確保する必要があります。
基準寸法はあくまで「最低限の数値」であり、業種やオフィス環境によってはより広いスペースが求められます。
基準寸法を踏まえながら、自社に合ったレイアウトを検討しましょう。
オフィス全体のレイアウトも大切!
デスクだけでなくオフィスの全体的なレイアウトも大切です。
レイアウトを決めるうえではまず、「どんな仕事をするための事務所か」をはっきりさせましょう。
業務内容が明確になると、全体的な部署の配置なども浮かび上がってきます。
次に、業務内容にともなって「必要なもの」を列挙します。
什器や機材、日用品などをリストアップし、何がどの部署で使われるのかをあてはめていきましょう。
そうすることで、部署ごとに確保すべきスペースが判明します。
ただし、従業員の連帯を高めるにはオフィスの統一感も肝心です。
統一感を出すために、事務所のテーマを決めましょう。
テーマを共有できれば、距離の離れた部署間でも同じ空気感の中で働けます。
どんな雰囲気の事務所にしたいのかをイメージし、従業員にその企業の理念を意識させることがベースとなります。
オフィスのレイアウトを決めていくための基本
社内全体のレイアウトを決めていくためには最初に「応接室、会議室、打ち合わせ室(スペース)」の配置を決めるのがコツです。
これらの部屋は外部の人間を入れる機会が多く、会社のイメージを印象づけるからです。
また、これらの部屋は部署横断的な性質を持っているため、各部署からのアクセスも最初に検討しておきます。
その後、執務スペースの広さを決めるとレイアウトはスムーズに考えられます。
部屋や各部署のスペースの割り当てが終わったら、デスクの配置方式を決めていきます。
このとき、コピー機、ファイルキャビネットなどの配置も同時に決めるようにしましょう。
什器や機材は、それをもっとも必要とする従業員の近くに置くのが基本です。
そして、業務内容や来客の多さによって、最適な動線を確保していきましょう。
たとえば、大きな荷物を運ぶことが多い業種なら、通路は広く取るべきです。
また、来客が多い部署は玄関になるべく近づけるとセキュリティを高め、案内がスムーズにできるでしょう。
最適なデスクレイアウトで業績アップ!
デスクのレイアウトは、仕事の業績を伸ばすうえでとても大切な要素です。
しかし、レイアウトには画一的な正解はありません。
社風やテーマ、目指す業務効率化の内容などに合わせて、従業員が働きやすいレイアウトを検討しましょう。