オフィスの騒音問題を解決しよう!
窓用防音シートは効果あり?
オフィスの周辺が騒々しい場合には、うるさくて仕事に集中できないことがあるでしょう。
オフィスの騒音問題は、労働意欲を奪う深刻な問題です。
業務効率を上げるためには労働環境を改善する必要があり、オフィスの防音対策が求められます。
オフィスの防音は、窓用防音シートをはじめとする防音アイテムの使用で改善が可能です。
そこで、オフィスの防音問題について説明し、防音アイテムの効果についても紹介します。
1. オフィスによくある騒音の問題点
オフィスの中には、人の話し声や空調の音、OA機器から発せられる音など、さまざまな騒音が存在します。
普段は小さな音であっても、仕事中に聞こえてくると作業に集中できないと感じることがあるでしょう。
また、騒音の感じ方には人それぞれ違いがあり、わずかな音でもストレスに感じる人もいます。
幹線道路の近くや、周囲に鉄道が通っているオフィスの場合には、外からの音がうるさく、業務に支障をきたすことがめずらしくありません。
業務効率を大きく左右しますので、騒音問題は迅速に解決する必要があります。
気持ちよく仕事に集中できるオフィスを作るには、防音対策が極めて重要です。
2. 騒音の基準
騒音の基準はデシベル(db)と呼ばれる単位で表します。
葉がこすれる程度の音や、寝息などの騒音レベルは20db程度です。
郊外の深夜やささやき声などは30dbほどで、非常に小さく聞こえます。
市内の深夜や図書館、静かな住宅地の昼間の状態では40dbです。
40db程度であれば、会話には支障がないといえるでしょう。
静かな事務所の場合には、50db程度であり、うるささでいうと普通の状態です。
一方で、騒音レベルが70db以上になるとうるさいと感じます。
この数値は救急車のサイレンなどに匹敵するほどの騒音であり、大きい声を出さないことには会話ができません。
幹線道路に近い建物にオフィスを構えている場合には、70dbになるでしょう。
交通量の多い日中に70dbの騒音が聞こえる環境にいると、作業にも集中できません。
そのため、しっかりと防音対策を行い外からの騒音を防ぐ必要があります。
3. 騒音問題を解決するには?
オフィス内の騒音は、小さな声で話すなどの工夫によって解決が可能です。
ただ、外からの騒音は窓を伝わって入ってくるため、しっかりとした防音対策が求められます。
窓に防音対策をする前に知っておきたいのは、音の伝わり方でしょう。
音というのは空気や固体の振動によって発生します。
また、音の伝わり方には3種類あるのが特徴です。
「空気音」、「固体音」、「空気音と固体音の両方」の3つがあり、それぞれによって伝わる音が異なります。
室外からの騒音のほとんどは空気音です。
空気音は、空気の振動が壁や窓を通して伝わります。
空気を通して伝わる音には、自動車や電車が通る音、踏切の警報器、さらに犬の鳴き声などが挙げられるでしょう。
空気音は窓ガラスや壁を通して伝わりますが、窓ガラスは外壁よりも薄いため、音が伝わりやすいといえます。
ただ、遮音に関しては物質の質量が重要です。
そのため、窓に防音対策をすることで、防音効率が高まります。
さらに、窓ガラスには隙間が多いため、サッシの隙間を埋めることでも防音対策は可能です。
固体音は上階からの足音や室内の配管から聞こえる音などをいいます。
固体音は窓の防音だけでは防げません。
固体音の防音には壁や床に防音リフォームをする必要があります。
空気音と固体音の両方によって伝わる音は、国道沿いのオフィスなどに多いでしょう。
大型トラックが通ると、騒音だけでなく振動も感じることがあります。
このような、騒音と振動の両方から音が発生しているのが、空気音と固体音の両方によって伝わる音です。
鉄道が目の前を通っている場合にも壁と空気の両方が震動しますので、空気音と固体音の両方が発生します。
空気音と固体音の両方が発生している際にも、窓や壁を含めたリフォームが必要です。
しかしながら、リフォームではそれなりの費用がかかってしまいます。
賃貸オフィスの場合には窓の防音を考えるのがいいでしょう。
4. 防音の基礎!吸音・遮音・防音とは?
防音対策の方法にはいくつかあり、その中でも代表的なのが吸音・遮音・防音の3つです。
この3つの違いを知ることで、高いレベルの防音対策ができるようになります。
まず、吸音というのは、スポンジ状の素材などを使用し、音を吸収することです。
学校の音楽室の壁などによく見かける、細かい穴がたくさんある素材によって音を取りこみます。
その中で拡散させることで、取り込んだ音を吸収するのです。
吸収する穴が小さければ小さいほど、吸収性は高いといえるでしょう。
たくさんの穴が音を吸収することで音が漏れるのを防ぐ方法です。
ところが、音を防ぐだけでは音が響き、室内がうるさくなってしまいます。
そこで、室内の反響をおさえる目的で吸音が使われるようになりました。
しかし、吸音性を高めすぎてしまった場合には反響してくる音がなくなってしまいます。
その結果、物足りなさを感じることがあるでしょう。
遮音は、重い材料や密室性の高い材料によって音を遮ります。
空気中を伝わる音を遮ることで、騒音を遮断する方法です。
2重窓に使われているのがこの原理であり、外からの騒音を2枚重ねのガラスによって遮断しています。
外に漏れる音が小さければ小さいほど、遮音性は高くなるといえるでしょう。
遮音を目的として使われることの多い素材には、鉄板やコンクリートなどがあります。
ただ、これらは遮音には優れた素材ではありますが、重量が重いため、費用がかかります。
窓ガラスを2重窓に変更することでも騒音対策は可能です。
しかしながら、賃貸のオフィスの場合には、窓を入れ替えることは難しいでしょう。
最後の防音は、音を防ぐ概念として使われています。
防音は、具体的な方法論を意味していません。
外の音が室内に入り込むことや、室内の音が外に漏れるのを防ぐことで音を防ぐのが防音です、そういった理由から、吸音や遮音は防音を実現するための方法であると考えましょう。
防音対策や防音素材などという言葉もありますが、遮音や吸音を実現するための具体的な対策や素材のことをいいます。
5. 断熱シートの防音効果
エアコンの効きをよくするため、窓に断熱シートを貼り付けたことがある人もいるでしょう。
ホームセンターなどで手軽に買える断熱シートは、需要が高く、高い品質の製品も多く出回っています。
そのなかには、防音効果が期待できる商品も登場しているのです。
そのため、断熱シートを活用すると、音が防げる可能性があるといえるでしょう。
しかしながら、断熱シートは防音を目的として作られているわけではありません。
空気の層によって音を吸収しますので、少しであれば音が防げるといった程度です。
そういった理由から、断熱シートは断熱対策のついでに防音ができる可能性がある製品だと考えておくのがいいでしょう。
断熱シート単体で高い防音効果を期待するのは難しいため、防音効果を高めるには、ほかの防音設備を併用する必要があります。
6. 防音カーテンの防音効果
オフィスの防音は、防音カーテンの使用も効果的です。
防音カーテンというのは、窓から出入りする音を防ぐ目的で作られたカーテンであり、防音効果を高めるために特殊な生地で織られています。
防音カーテンの仕組みには、音を遮る仕組みと音を和らげる仕組みの2つがあるのが特徴です。
防音カーテンが音を遮るというのは、窓から入ってくる音を跳ね返すイメージをもつとわかりやすいでしょう。
また、音を和らげるというのは、防音カーテンがクッションとなり、入ってきた音を受け止め、吸収するのです。
この2つの仕組みによって、人の声や物音、音楽など空気を通して伝わる音に対して高い防音効果を発揮します。
しかしながら、建物や地面を通して伝わる固体音の場合には、防音カーテンで受け止めることができません。
また、電車の音や工事の車の音といった低音にも効果が発揮できないといえるでしょう。
防音カーテンは一定程度の防音効果が期待できますが、確実に防音できるとはいいきれません。
さらに、防音効果を高めるためにはカーテンを閉めたままにする必要があります。
業務中もカーテンを閉めたままにしておかなければならないため、オフィスが暗くなるといったデメリットもあります。
防音カーテンの効果を高めるためには、窓用の断熱シートと併用するのがいいでしょう。
双方の防音効果を併せることで高い防音効果を発揮します。
断熱シートや防音カーテンは導入にそれほどの費用がかかりません。
断熱シートと防音カーテンの併用は、コストを抑えて高い防音効果が期待できるといったメリットもあります。
7. 窓用防音シート(遮音シート)の防音効果
窓に貼り付けて外からの騒音を遮るのは断熱シートだけではありません。
窓用防音シートや遮音シートと呼ばれる、防音専用のシートもあります。
窓用防音シートは窓に貼るだけで防音効果が得られますので、非常に手軽なのがメリットです。
また、窓用防音シートのなかには、空気を通して伝わる騒音だけでなく、建物を通して伝わる振動や衝撃といった固体音も防ぐ製品もあります。
そういった製品を選ぶと、防音だけでなく、防振構造も実現できるでしょう。
窓用防音シートは防音を目的として作られていますので、高い防音効果が期待できるのです。
使い勝手だけでなく高い効果が得られる窓用防音シートは、賃貸で大がかりな防音工事ができないオフィスにぴったりだといえるでしょう。
シートタイプやマットタイプ、パネルタイプなど、さまざまな種類があり、使用環境や用途に合わせて選べます。
また、無色透明のシートを選ぶと窓からの眺めを遮ることがありません。
窓からも十分な光が得られますので、オフィス環境の快適さを損なうことなく防音できるといったメリットもあります。
ただ、窓用防音シートはサッシの隙間から侵入する音を遮ることができません。
そのため、サッシの隙間からの音が気になる場合には、ほかの防音アイテムと併用しましょう。
8. 窓用防音シートの貼り方
窓用防音シートを貼る前には、いくつかの準備が必要です。
貼り方は製品によって異なりますが、ここでは手軽に貼り付けられる水で貼るタイプの貼り方を説明しましょう。
まず、水で貼り付けるタイプの窓用防音シートを用意します。
水で貼るタイプは窓に水を吹きかける必要がありますので、霧吹きを準備しましょう。
窓の大きさに合わせてカットするためのメジャーや定規、カッターナイフなども必要です。
シートとガラスの間に入った水を押し出すためのスキージーやタオル、さらにスポンジやペーパータオルもあると便利でしょう。
窓用防音シートを貼り付ける際には、窓用防音シートをカットします。
窓用防音シートは窓ガラスを覆うように貼り付けますので、窓ガラスよりも少し大きめにカットするのがポイントです。
窓ガラスにシートを密着させるため、ガラス全体に霧吹きで水を吹きかけましょう。
その後、窓用防音シートの台紙をはがして窓に貼り付けます。
その際、シートにも水を吹きかけ、ゆっくりと貼りましょう。
シートとガラスの間に水や空気が入った場合には、スキージーやタオルなどを使って押し出します。
中に入った水と空気は、中心から外へと押し出すのがいいでしょう。
最後に、はみ出たシートをカッターナイフでカットすると完成です。
9. 窓用防音シートの注意点
手軽に貼り付けられ、高い防音効果が期待できる窓用防音シートですが、使用に際して注意点があります。
まず、窓用防音シートはどんな窓にでも貼り付けられるわけではありません。
窓用防音シートは窓ガラスの種類によって、「熱割れ」を起こしてしまう可能性があるのです。
窓ガラスというのは、直射日光を受けると温まり、熱膨張を起こします。
しかしながら、サッシに埋め込まれているガラスの端面部分には直射日光が当たりません。
そのことにより、直射日光の当たる部分と当たらない部分で温度差が生じてしまうのです。
熱膨張を起こした部分が、周辺部分に引っ張られることで、窓ガラスが割れてしまいます。
これが、熱割れの仕組みです。
熱割れが起こるのは、窓ガラスの種類によります。
網入りガラスやペアガラスといった特殊ガラスは熱膨張を引き起こす可能性が高いでしょう。
なかでも、網入りガラスは、ガラス内に埋め込まれた金属ワイヤーが熱を持つため、一般的なガラスと比べると熱割れしやすいのが特徴です。
フロート板ガラスの場合には、厚みが増すほど熱割れしやすくなります。
安価で手に入り、手軽に取り付けられるうえに防音効果も期待できる窓用防音シートですが、窓の種類を確認してから使用することが重要です。
また、窓用防音シートを貼ったからといって確実な防音効果が得られるわけではありません。
窓用防音シートに、過度の期待はしないほうがいいでしょう。
10. オフィスの防音はプロに相談してみるのもおすすめ
手軽に貼り付けられ、防音効果が期待できる窓用防音シートですが、それだけでオフィスの防音効果を満足に得るのは難しいといえるでしょう。
快適な職場環境を作り上げることは、仕事の効率を高め、業績アップにつながります。
そのため、確実な防音を実現させることが大切です。
オフィス環境を最適に整えるためには、プロに相談してみるのがいいでしょう。
アットオフィスでは、オフィスの内装設計施工も行っていますので、高い防音環境が実現できます。
それぞれの状況に合わせた、最適なオフィス作りが可能になりますので、まずは相談してみましょう。