オフィスの防音対策!
窓用防音ボードで音の問題は解決できる?
社員が快適に仕事をできるようにするには、オフィスの環境を整えておかなければなりません。
その中でも外の騒音に邪魔されないことがポイントのひとつです。
オフィスにおける防音対策は、特に窓を中心にする必要があります。
そこで、ここでは窓からの音漏れによく使用される窓用防音ボードの特徴および、取り付け方法などについて詳しく説明します。
1. 業務に支障をきたす騒音問題
多くの人が仕事をしながら過ごしているオフィスでは、話し声が絶えることはないでしょう。
また、多種多様なOA機器が稼働していることで、機械音も常に聞こえてきますよね。
また、オフィスの位置している立地が交通量の多いメイン道路沿いなどの場合、外を走行する車の騒音が気になることもあります。
さらに、車の音だけではなく、人の話し声や工事の音など、オフィスでは外からの騒音に悩まされることは多いのです。
もちろん、なかには多少の音があっても気にならないという人もいますが、そのような人ばかりではありません。
また、いつもはなんとも思わなくても、急に周囲の音が気になって仕事に集中できないということもあり得ます。
気にしないようにしようと思えば思うほど、余計に気になってイライラするという経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
このように、オフィスではさまざまな音の問題が業務に支障をきたす恐れがあります。
業務効率化を図るためにも、騒音に対する効果的な対策を練ることが必要です。
一方、音の問題としては、社内の音を外に漏らさないようにしなければいけないという側面もあります。
たとえば、極秘の内容を外に漏洩させないことも大切です。
また、単純にひとつの部屋で発せられる音が、別の部屋や社外には迷惑な雑音になるということもあります。
2. 防音対策は2つの方法で行う
防音対策を考えるときは、「吸音」と「遮音」という2つの側面から行う必要性があります。
吸音は文字から推察できるように、素材に音のエネルギーを吸収、またはある程度透過させる方法です。
グラスウールやウレタンスポンジなど多孔質の素材では、中を通る音のエネルギーを熱エネルギーに交換することによって音の振動が弱まり、吸音されます。
結果として外に反射する音が少なくなり、防音効果が得られるのです。
一方、遮音は使用する材料の力で音のエネルギーを遮断し、反対側まで通さないようにします。
遮音は使用する材料の力で音のエネルギーを遮断し、反対側まで通さないようにします。
建物自体にコンクリートや鉄筋などの素材を使っていれば、ある程度遮音の効果を期待することも可能です。
しかし、建築費が高くなるうえ、すでに建っている建物ならば後からコンクリートや鉄筋を入れるわけにはいきません。
そこで、遮音効果を望めるボードやシートなどを使うのが一般的です。
実際に防音対策を施すときは壁や床、窓など箇所によって音の伝わり方が異なるため、それぞれの場所に合わせた効果的な対策をとる必要があります。
3. 音が漏れやすい場所はどこ?
音は空気や固体が振動することによって伝わります。
空気が振動することによって伝わる音の場合、厚みのある壁や遮音性の高い壁ならば、ある程度遮断されて中までは届きません。
もちろん、窓でもある程度は音を遮る効果を望めるものの、窓は壁に比べると圧倒的に薄く、サッシにはわずかながら隙間も生じます。
そのため、防音という観点では、どうしても音漏れしやすいというのがデメリットです。
また、窓ガラスにもさまざまな種類や厚さがあり、防音性も異なります。
一般的な厚さ3mmの1枚ガラスや少し厚め5mm1枚ガラスでは、それほど防音性が高くありません。
一方で、間に空気層を挟んだペアガラスや防犯・防音の効果をアップした防犯ガラスや防音ガラスは開発が進み、従来と比べると防音性がアップしています。
ただし、特長には一長一短あるうえ、やはり壁に比べると音を通しやすいことに変わりはありません。
また、窓に施せる対策としては、内窓を設置するという方法もあります。
ただ、内窓があれば音漏れをかなり軽減することが可能になりますが、施工の費用が高くなりがちという点がデメリットになるでしょう。
そのため、防音効果を優先する場合は、ほかにも対策を考えることが必要です。
4. オフィスの防音対策に有効!防音ボードとは?
大きな負担をかけずにオフィスの防音対策を施せるアイテムに防音ボードがあります。
吸音性に優れた防音ボードには大きく分けて「GCボード」と「MGボード」と呼ばれる2つのタイプがあり、どちらも吸音材としてはもちろん、断熱材としても広く使われている素材です。
GCボードはグラスウール、MGボードはロックウールでできており、防音性能に関しては2つにあまり差がありません。
GCボードに使われているグラスウールは綿状になったガラス繊維で、断熱材として広く建築に使用されています。
防音ボートとして使われる際はボード状に加工され、MGボードに比べると価格が安いというのがメリットのひとつです。
一方、MGボードに使われている繊維は「岩綿」と呼ばれることもあり、鉄鉱石から作られています。
MGボードもGCボードと同様に綿状の繊維がボード状に加工されており、密度が高いという点が特徴です。
そのため、MGボードは吸音ボードでありながら、GCボードに比べると遮音性能は高くなっています。
GCボードもMGボードも、設置すればある程度の防音効果は期待できます。
ただし、どちらも吸音することが主になっているアイテムであるため、設置したからといってすべての騒音を遮断することは難しいのが現状です。
それほど大きな音でなければ吸音することが可能ですが、あまりに大きな音の場合は吸収しきれずにそのまま中まで音が通ってしまうということも考えられます。
そのため、より防音対策をしっかりしたいならば、防音ボードとともにほかのアイテムも併用することが必要です。
5. 窓には窓用防音ボードを使うのがおすすめ!
防音対策にはさまざまな方法があるものの、音漏れしやすい窓の防音対策として、まずは窓用防音ボードを設置するのがおすすめです。
窓用防音ボードは、取り付けるにあたって周囲の壁や窓枠などに傷をつけることもなく、大掛かりな工事をする必要もありません。
窓枠にはめるだけで簡単に取り付けることができます。
窓用防音ボードを取り扱う専門の業者に依頼すれば、オーダーで防音が必要な窓のサイズに合わせた防音ボードを製作してもらうことが可能です。
防音ボードを使用するのは、もちろん騒音をはじめとした音漏れを防ぐのを目的としています。
内側に吸音効果の高いグラスウールを使用しており、取り付ければ二重サッシと同じように音がオフィスの中まで入ってくるのを防いでくれます。
そして、防音ボードに期待できるのは吸音の効果だけではありません。
窓の内側にもうひとつ物理的にボードをもうひとつ付けるため、外側の窓との間に空間ができます。
そのため、二重サッシのように夏の暑さや冬の寒い外気を内側に伝わりにくくしてくれる効果を期待できるのです。
グラスウールはもともと、断熱材として広く用いられている素材であることから、防音ボードを断熱対策としても使用することができます。
また、防音ボードの裏側には吸湿ボードなどの結露防止材もついており、結露が発生するのも抑えてくれます。
防音ボードを設置した内側にさらにカーテンをつけることもでき、防音効果の高いカーテンを併用するとさらに効果が高まるでしょう。
6. 窓用防音シートとの違い
窓の防音対策に使えるものとして、窓用防音ボードのほかに窓用防音シートがあります。
窓用防音ボードは窓内側の窓枠にはめ込むタイプのアイテムです。
窓全体をしっかり塞ぐことで防音や断熱、結露防止などの効果を期待できます。
ただ、窓用防音ボードでは窓全体を塞いでしまうため、窓にはめてしまうと外から光が入ってこず、日中でも灯りが必要です。
一方、窓用防音シートは窓に直接貼り付けるタイプのアイテムです。
透明タイプの窓用防音シートもあり、窓用防音ボードと違って採光に問題がなく、室内も暗くなりません。
また、窓に透明のシートを貼るだけですから、景観を損なわないこともメリットです。
厚さ2mm程度のしっかりした窓用防音シートならば、隙間なくきちんと施工するとかなり遮音効果を期待することができます。
価格としては窓用防音シートよりも、窓用防音ボードの方が高い傾向です。
7. 窓用防音ボードのメリットとデメリット
窓が1枚あるだけの窓の場合、サッシとレールの隙間やサッシが中央で重なる部分の隙間からどうしても音漏れがしてしまうことがあります。
さらに、窓枠に使われているアルミサッシそのものの材質が音を伝え、中まで入ってくるということも多いのです。
そこで、防音のために内窓を設置して二重サッシにするという方法もあります。
二重サッシにすると、外側の窓と内窓の間に空気の層ができ、音が空気層の中で反復しているうちに建物の中まで入ってくる音を軽減することが可能です。
ただし、内窓を設置するには費用がかかってしまうほか、構造上内窓を設置できないケースもあります。
しかし、窓用防音ボードならば、大掛かりな工事ができない建物でも設置することができ、費用も安価に収まりやすいという点がメリットです。
しかも、内窓を設置するのに近い防音効果や断熱効果などを得ることができます。
なにより、窓用防音ボードは取り付けが簡単にできるというのも大きなメリットです。
取り外しが簡単なようにボードに取っ手が付いており、左右の位置を間違えないように気を付けながら、届いたその日に業者などに依頼することなく自分ですぐにはめ込むことができるでしょう。
窓用防音ボードを設置することである程度外の騒音を吸収し、室内まで届く音を減らす効果が期待できます。
ただし、音の性質や、建物の構造などの条件によって違いがでてくることもあり、防音ボードを設置しただけで完全に騒音を防ぐのは難しいです。
そのため、ほかの防音対策を併用した方が効果的なこともあります。
また、窓用防音ボードを設置すると、窓を塞いでしまうことで室内が暗くなるというのもデメリットのひとつです。
もし、窓を塞がず昼間に日差しがあれば、室内で電気を使わずに過ごせる時間があるかもしれません。
しかし、昼間でもずっと電気をつけていれば、当然電気代もかかってしまうでしょう。
経費削減が叫ばれることが多い中、光熱費の負担が増す可能性が懸念され、窓用防音ボードを使用することがデメリットになるといえます。
8. 吸気口の防音対策も重要!
オフィスの防音を考えるとき、壁や窓ガラスなど直接外部との境界になっている箇所に気を配るのは大切なポイントです。
ただし、外の騒音が入ってくるのは単に壁や窓ガラスの表面を通してだけではありません。
実は吸気口からも音が入ってきているのです。
窓付近に設置されていることが多い吸気口は、外部と直結しています。
断熱性や気密性が高まった現代の建物では、吸気口が空いていることで内部の熱をあまり損なわずに換気することが可能です。
そのため、吸気口自体は建物や人間の健康を保つためには必要なものであるといえます。
ただ、騒音に関しては、いくら壁や窓に防音を施しても、場合によっては吸気口から入った音が、うるさいと感じるほどの騒音になることもあるのです。
そのため、吸気口から入ってくる騒音についても対策を施すことが必要になります。
スリーブと呼ばれる吸気口のパイプの中に、ポリウレタン発泡体などの素材でできている「防音スリーブ」というアイテムを入れると、吸気口から入ってくる騒音を低減することが可能です。
吸気口の室内側にあるカバーを一旦取り外し、パイプの筒の中に防音スリーブを入れるだけという簡単な作業で済みます。
ただし、防音スリーブを設置することで、どうしても吸気口のパイプ内の空いた面積が少なくなり、空気の通り抜けが悪くなるという点がデメリットです。
そのため、防音スリーブを設置するときは、換気が十分にできるかどうかを注意しておく必要があるでしょう。
9. 防音対策を確実に行うには?
内窓を造ることに比べると、窓用防音ボードは大掛かりな工事を必要とせず、誰でも簡単に設置することができます。
また、室内の明るさを確保するために窓用防音シートを貼ることで、ある程度の防音効果を期待することもできるでしょう。
さらに、吸気口に防音スリーブを設置するのも簡単です。
しかし、これらの対策を取っても、ケースによっては十分な対策になるとはいえません。
オフィスの防音対策が気になるなら、防音に関することやオフィスの環境をよく知った専門業者のアドバイスを聞くことも大切です。
防音対策を確実に行い、快適に業務を遂行できるオフィスの環境を整えたいと考えているのならば、オフィス物件を豊富に扱っているアットオフィスに相談してみてはいかがでしょうか。