オフィスの防音にはどのパーテーションが向いている?
目的別の選び方
賃貸事務所・仮オフィスなどを探している方の中にはオフィスを会議室の話声が聞こえないように、パーテーションで防音できる部屋を作りたいと考えている方もいるでしょう。
会社に来る人のプライバシーを守りたい、会議中の声が漏れるのは困るということからパーテーションを付けようと検討している方に向けて、この記事ではオフィスの防音対策について紹介します。
1. 防音パーテーションの3つの要素
防音パーテーションには3つの要素があります。
吸音、遮音、防振です。
パーテーションによってさまざまな素材が使われており、素材によって防音効果は異なります。
たとえば、防音と謳っている部屋であっても部屋の壁の素材によっては音が反響してしまうということもあります。
本当に防音の部屋なのか疑問が残る部屋も実は存在します。
そういった場合に吸音効果のある素材を用いたパーテーションを付けることで音の反響を防ぐことができます。
反射する音を吸収して、音が反響することを防ぐ役割があります。
楽器の演奏や、歌の練習をしたいという場合にもこういったパーテーションを使うことがあります。
穴の空いた素材を使って作られたパーテーションは吸音効果があり、よく音楽室の壁などにも使われています。
会議で大切な話をしているときに音が反響して外に聞こえてしまうと大きな問題になります。
吸音効果のある壁を使って反響を防ぎましょう。
遮音効果のあるパーテーションも会議にピッタリ。
聞かれたくないような内容の話や企業秘密などの会議をするときにも、遮音効果のあるパーテーションを利用することで安心して話をすることができます。
吸音効果のあるパーテーションは音を吸収して止める役割がある一方で遮音効果のあるパーテーションは音を跳ね返すことで音が外に出ることを防ぎます。
音を跳ね返すので楽器の演奏には向いていませんが、人の会話や生活音などが外に漏れにくいというメリットがあります。
鉄板やコンクリートなどが使われることが多いです。
また、費用を抑えるために石膏などが使われることもあります。
ピアノや工事などの作業で振動を伴うようなことをするという場合には防振効果のあるマットがおすすめです。
ピアノの下に敷くことで下の階に住む人への影響が少なくなったという声もあります。
防振として使われるマットはゴム製やコルク性であることも多く、振動を吸収して響かせないようにするという効果があるようです。
会議やオフィスで足音などが聞こえないようにしたい、他の部屋に迷惑が掛からないようにしたいというときにも利用されるようです。
2. オフィスで使われるパーテーションの素材と遮音性能
オフィスで使われるパーテーションの素材と遮音性能は、たとえば、アルミならば比較的値段が安い一方で、防音性はスチールと比べると劣ります。
アルミのパーテーションは約21dBほどまでに音を防ぐことができます。
普通の会話は60dBくらいなので普段の声、マイクを通した声で会議をするという場合にはパーテーションとしては不十分といえます。
スチールパーテーションは天井や床にしっかりと固定して利用します。
中に吸音材を入れて防音性を高めることもできます。
約36dBほどの音量に遮音することができるのでます。
一般的に人の耳は20〜29dB以下になると無音と感じるといわれています。
つまり、会議の声を外に聞こえないようにするためには31dB以上の遮音性のあるパーテーションが必要になると考えられます。
3. 防音性抜群のスチールパーテーションとは
会議室や応接スペースなどのスペースを区切るならスチールパーテーションがおすすめです。
場所を区切るだけであればアルミでもよいのですが、会議室や応接スペースなどのように外に会話が漏れてしまっては困る、という場合にはスチールのパーテーションがよいです。
遮音性のほかにも耐震性や断熱性にも優れています。
静かで、音が漏れにくい空間を作りたいと考えている方におすすめです。
また、すりガラスのような加工もできるので目隠しの役割も果たせるのでオフィスの景観を壊すこともなく、パーテーションを設置できるというメリットもあります。
4. 天井までのパーテーションを設置するときの6つの注意点
隙間のないパーテーションを設置する際に注意したいことが6つあります。
1つ目はエアコンや蛍光灯が重ならない位置に設置するということです。
天井の形状からやむを得ず、重なる場所に設置せざるを得ない場合には、蛍光灯を外す工事やエアコンの移動工事などが必要になることもあります。
一番は重ならない場所に設置することですが、場合によってはやむを得ない状況もあるでしょう。
2つ目は区切られた箇所に空調がない場合は新たに導入するコストがかかるということです。
隙間のあるパーテーションであればその隙間から蛍光灯の光はもちろん、エアコンの風も入ってきますが、天井までのパーテーションを設置してしまうと「新しい部屋が一つ増えた」ことになり、新たに空調設備や蛍光灯などを設置する必要が出てきます。
せっかく、パーテーションの費用を浮かすことができたとしても新たに経費が掛かってしまうということにもなりかねません。
3つ目は天井の形状を確認するということです。
最近のオフィスはデザイナーズマンションのようにおしゃれで天井にも技巧が凝らしてあるという場合もあります。
吹き抜けになっていたり、天井が平らではなかったりすることもあります。
こういった天井までのパーテーションを付けるときには別途加工金額がかかり、詳細な見積もりが必要になります。
場合によっては思った以上の金額になってしまい、隙間のあるパーテーションを付けるか、パーテーションを付けること自体を断念しなければならないという可能性もあります。
天井の形状を確認して見積もりを取るようにしましょう。
4つ目は火災報知機が各仕切内にあるように設置するということです。
二つ目の注意点でも「新しい部屋が一つ増えた」ということを書きました。
これは火災報知器なども新たに設置しなければならない、ということを指しています。
パーテーションを付けることで新しい部屋が一つ増えたという場合には火災報知器を付けるための工事や費用も必要です。
5つ目は工事の日時を配慮するということです。
パーテーションを付ける際に音が出ます。
それもそのはずです。
部屋の壁を一つ増やす工事をするということを考えればそれなりの音がでます。
会社内に天井までのパーテーションを付けるという場合には工事音がでることを考慮しなければなりません。
会社が休みの日にパーテーションを付けるといった日程調整も必要でしょう。
6つ目は原状回復費用がかかるということです。
天井までのパーテーションを付けるという場合には隙間のあるパーテーションとはことなり取り外しにまたもや工事が必要になります。
そのため、原状回復のために費用がかかってしまうので後のことまで考えたパーテーション付けが大切です。
5. 選ぶべきパーテーションは必要な防音性次第
防音対策とは言っても、どの程度の防音性が必要かによっても選ぶべきパーテーションは異なります。
会議や応接程度の音量の声漏れを防ぐことを考えてパーテーションを付けるのか、もっと汎用性を考えたパーテーションを設置するのかによって費用も異なります。
最近ではセキュリティ対策も踏まえて目隠しの効果があるデザインのパーテーションも登場し、種類も多くなっています。
また、設置するときに隙間のあるパーテーションを付けるのか、それとも天井まであるパーテーションを付けるのかによっても金額はもちろんのこと、工事日数なども変わってきます。
会社によってパーテーションの使い道も様々で、重要視する部分が異なります。
オフィスでパーテーションを利用する場合は目的に応じた設置方法を検討しましょう。