事務所移転のお祓い準備と神棚の移動をするときの注意点を解説
事務所を移転し、新しい事務所で新しく仕事を始める際は、まずその事務所の中をお祓いしてから事業をスタートさせましょう。氏神様にお祓いをしてもらうことで、神様に新事務所での報告と新しい事務所での仕事の繁栄を祈祷してもらいます。
しかし、お祓いをしてもらう際、神主さんの選び方や準備する物などがわからないという方もいるのではないでしょうか。
本記事では、事務所移転のお祓いの相場や準備する物、神棚の引っ越しについて詳しくご紹介します。お祓いは神様が関係する行事のため、マナー違反にならないよう参考にしてください。
目次
事務所移転のお祓いの目的とは
日本では、昔から守ってくれている神様へ挨拶をする習慣があります。事務所移転する際もお祓いは欠かせません。
お祓いには事業繁栄や取引の成功、事務所安泰などを祈願して行われます。また、社員の健康と安全を祈ることで、社員が安心して仕事に取り組むことができます。社員一丸となって、気持ちをこめてお祈りすれば、自然と円滑な職場環境になるでしょう。
また、神社とお寺では、祈る人と祈りを捧げる対象が異なるため、注意が必要です。
- 神社:神主が神様に対して祈りを捧げる
- お寺:僧侶が仏様に対して祈りを捧げる
<神社とお寺の違い>
お寺の浄土真宗には祈祷という考え方がありません。なぜなら、祈祷をしないことがお釈迦様の教えに従っていると考えられているためです。そのため、事務所移転のお祓いは神社に頼むことになります。
事務所移転のお祓いの金額相場
神社によってお祓いの相場は異なりますが、事務所移転のお祓いの相場は、法人の場合3万円~が多いようです。また、別途神主さんの交通費がかかる場合があります。
ただし、上記の金額はあくまでも一般的な金額のため、お願いする神社に確認してみましょう。
また、お供え物などを神社に用意してもらう場合は、別途料金がかかります。
事務所移転でお祓いしてもらう際の神主さんの選び方
事務所移転でお祓いしてもらう際の神主さんの選び方は、氏神様を祀っているかどうかで決めることが一般的です。
氏神様の神社がわからない場合は、事務所がある地域の神社に問い合わせしてみましょう。
事務所移転のお祓いで準備する物
事務所移転のお祓いをしてもらう際、必要な物があります。事務所移転のお祓いで準備する物は以下のとおりです。
- お供え物一式
- 祈祷料
それぞれ詳しく解説します。
お供え物一式
お祓いをしてもらう際、神様にお供えが必要です。一般的に準備するお供え物一式は以下のとおりです。
- 米:1升
- 酒:1升又は2升(箱入りのし付き)
- 魚:尾頭付きの魚(大きい魚は1尾、小さい魚は2・3尾)
- 海菜:昆布又はわかめ1袋
- 野菜:3種類(色どりよく大皿にのる程度)
- 果物:3種類(色どりよく大皿にのる程度)
- 塩:小皿一杯
- 水:コップ一杯
また、地域や神社によって準備する物は異なる場合があるため、事前に必ず確認しておきましょう。
祈祷料
祈祷料は、お祓いしてもらう神社によって異なりますが、前述した通り法人の場合の料金相場は3万円〜5万前後が一般的です。ただし、神社によって金額の設定は異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
また、祈祷料は神社に支払うお金であり、神社に対する謝礼の意味も含まれているため、多く支払っても問題はありません。
お祓いをしてもらう際に注意すること
お祓いしてもらう際に基本的なマナーを守る必要があります。この章では、以下5つの事柄に関するマナーについて解説します。
- 使用するのし袋
- のし袋の表書き
- のし袋の中身
- お祓い時の服装
- お祓いする日程
今後の、事務所新設や移転の際に必要なマナーであるため、覚えておくと良いでしょう。
使用するのし袋
のし袋の種類は、蝶結びになっている紅白の水引を選びましょう。水引は印刷されたものでも問題ありません。
万が一、用意ができなかった場合は封筒に入れてもいいですが、お札をそのまま奉納するのは失礼にあたりますので注意してください。
のし袋の表書き
のし袋の表書きは、上部に「御初穂料」と書き、下部に自分の会社名と代表者の氏名を記入します。
上部には、「御神前」「御供」「御榊料」「御玉串料」「御神饌料」「奉献」「奉納」「上」と記入することもあります。地域や神社によって異なりますので注意しましょう。
とくに決まりがないようなら「御初穂料」と書くのが無難でしょう。
のし袋の中身
のし袋の中身はできれば新札を入れるのが望ましいです。初穂料は神様への奉納となるため、できるだけ綺麗なお札を選びましょう。
封筒の中にお札を入れるときは、表側に人物が印刷されている面を向けるのがマナーです。また、のし袋に入れた金額は、内袋かのし袋の裏に記入しておきましょう。
お祓い時の服装
お祓いを受けるときは、できるだけフォーマルな服装が理想です。あまりにもカジュアルな服装や露出の多い服装は適切ではありません。
神様に祈りを捧げ、お願い事を聞いてもらう神聖な儀式であることを理解しておきましょう。女性はスーツかワンピース、男性はスーツが適しています。
また、移転した事務所ではなく、神社に赴きお祓いを受ける場合は、社殿に靴を脱いで上がることも予想されるため、素足にならないよう靴下やストッキングを履くことをおすすめします。
ほかにも、祈祷中はサングラスや帽子を取り、携帯電話の電源をオフにするかマナーモードにしておく配慮も必要です。
お祓いする日程
お祓いを受ける日は、仏滅などは避けたほうがいいと考える人もいるかもしれませんが、神社は神道の信仰による祭祀施設であるため、気にする必要はありません。
仏滅などは、中国発祥の六曜が関係していますが、神社とは関係がないのです。そのため、自分たちの都合のいい日程でお祓いをしてもらえば問題ありません。
神棚の引っ越し手順
事務所移転の際、神棚も引っ越しする場合、正しい手順があります。神棚の引っ越し手順は以下を参考にしてください。
- 神棚は最後に運び出す
- 移転先には最初に入れる
- 神棚はできるだけ自分たちで運ぶ
- 氏神様が変わるときはお札を交換する
- 神棚の位置に注意する
神棚は、神様を祀る神聖なものであるため、手順を守って引っ越し作業を進めましょう。
1. 神棚は最後に運び出す
神棚も引っ越しする際は、最後に運び出します。神棚は特別なものですので、他の荷物と一緒の扱いは避けましょう。すべての搬出が終わってから最後に運び出すのが一般的です。
2. 移転先には最初に入れる
最後に運び出した神棚は、引っ越し先では最初に入れます。何よりも先に新しい事務所に入ってもらい、新しい事務所を守ってもらいましょう。
引っ越し業者に頼む際は、神棚も引っ越しすることを事前に伝えておく必要があります。引っ越し業者によっては、神棚の引っ越しは取り扱っていなかったり、オプションサービスとして受けている場合があるからです。
3. 神棚はできるだけ自分たちで運ぶ
神棚は、自分たちを守ってくれるものですので、できるだけ自分たちで運ぶようにしましょう。運ぶ際は、神棚を傾けないよう慎重に運び、白い布などで包んでていねいに扱います。
すると、神様を大切にしていることが伝われば、今度はしっかり自分たちのことも守ってくれるでしょう。
4. 氏神様が変わるときはお札を交換する
引っ越し先が遠方の場合、氏神様は変わる場合もあります。新しい事務所の氏神様は必ず事前に確認しておきましょう。
氏神様が変わる場合は、神棚にお祀りするお札の交換も必要です。神棚に祀るお札は、中央が天照大御神の御札、右側に氏神様の御札、左側に特に信仰している神社の御札の3種類です。
5. 神棚の位置に注意する
神棚を祀る位置にも注意が必要です。できるだけ、社員全員がお参りしやすい場所を選びましょう。
また、方角は太陽の通り道である南向きが理想です。ただし、南向きが難しければ、日の出の方向である東向きでも問題ありません。神棚は、できるだけ高い位置に設置し下を人が通らないところにおくことも大切です。
神棚を引っ越しするときの注意点
神棚は神聖なものなので、中途半端な気持ちや雑な扱いはしないようにしましょう。神棚を引っ越しするときの注意点は以下の2つです。
- 神棚に移転の報告をする
- 神棚が古くなっている場合は交換する
それぞれ詳しく解説します。
神棚に移転の報告をする
神棚を移転させる前に、神様に対して事務所移転の報告は必ず行っておきましょう。移転の報告をすることで、神棚の神様に感謝の気持ちを伝え、新しい事務所での安全と繁栄を祈ることができます。また、お札を頂いている神社へのお参りも忘れてはいけません。
事務所の移転が決まれば、早い段階で神棚をきれいに掃除することも忘れないようにしましょう。
神棚が古くなっている場合は交換する
移転するタイミングで神棚が古くなっている場合は思い切って交換をしましょう。神棚は一生物と思われがちですが、時間とともに劣化した神棚は交換するのが一般的です。
神棚を交換することは決して悪いことではありません。むしろ、新しい神棚に交換して新たなエネルギーを宿らせてあげる方が運気は上がります。交換する場合、古い神棚は神社でのお焚き上げをお願いしましょう。
事務所移転の際はお祓いをして事務所を守ってもらおう
事務所移転の際は、新たな気持ちでスタートできるようお祓いをしてもらうのが一般的です。お祓いを行うことで、新しい事務所に神様の加護をいただき、仕事が順調に進むことを祈ることができます。
また事務所移転の際は神棚も引っ越しに関するマナーも理解しておきましょう。神棚は、神様を祀るものですので、雑な扱いは避けることが望ましいです。
事務所移転のお祓いや神棚の引っ越しなど、慣れていない方もいて戸惑う場面もあるかもしれません。本記事を参考に、お祓いや神棚の引っ越しをマナーを守り行うことで、新しい事務所でもしっかり事業繁栄や取引の成功、事務所安泰などを見守ってもらいましょう。