職場のBGMで働き方が変わる!
仕事の効率アップは選ぶ曲次第って本当?
BGMは人間の心理にさまざまな影響を及ぼします。
誰でも自分好みの曲が流れると気持ち良くなりますし、その逆のパターンもあるでしょう。
これは個人の話だけではなく、職場のBGMにも当てはまることです。
一般的に適度に快適なBGMは仕事の効率を上げ、職場環境をより良いものにします。
ただ、BGMなら何でも良いわけではなく、さまざまな人が働いている職場ならではの注意点も存在します。
今回は、このような職場のBGMのメリットとデメリットの両方を取り上げていきましょう。
また、効率をアップさせるためのBGM選曲方法についても解説します。
1. 静かすぎる職場は声を出しにくい
一般的に静かなオフィス環境は良いものと考えられています。
なぜなら、静かな環境で仕事に励む姿は、集中していて好ましいものに見えるからです。
しかし、例えばパソコンのキーボードを打つ音だけが響くような静かすぎる環境は、緊張感が漂うことも事実です。
このような職場環境では、自分が声を発することが他の従業員の迷惑になるのではないかと感じてしまうこともあります。
また、周りが静かな中で話をするということは、周りの人にも自分の声が聞こえやすいということです。
そのような中で話をしていると、周りから聞き耳を立てられているような気分になり、声を出しにくいということもあるでしょう。
こうした観点から職場環境を見ていくと、必ずしも静かなら良いというわけではないということが分かります。
むしろ、従業員同士のコミュニケーションや連携という観点では、適度なBGMがあるくらいのが会話をしやすいのではないでしょうか。
なぜなら、音楽が緊張感を和らげ、会話をしやすい雰囲気をつくるからです。
また、このようなBGMは会議室や応接室の音をマスキングする効果があることも見逃せないポイントです。
何も音がない静かな環境だと、その中で行われている会話内容が漏れてしまう恐れもありますが、音楽などが職場に流れていれば、その会話内容をかき消してくれる効果もあるでしょう。
2. BGMがある方が集中しやすい
職場にBGMなどが流れていると、「作業に集中できないのではないか」と感じる人もいるかもしれません。
そのような人は、静かな環境の方が仕事に集中しやすいと信じているのでしょう。
しかし、実際の職場環境を冷静に観察すると、完全に無音の環境はないことが分かります。
どんなに静かに感じられる職場でも、雑音というものが存在するのです。
例えば、電話対応の声やOA機器などを扱っている機械の音、外を通る車の音などです。
こうした観点で見ると、静かに感じる職場にも雑音は確実に存在していることが理解できるでしょう。
雑音というものは、多くの人にとって不快な音であり、それが耳に入ることは無意識に集中力を妨げる原因にもなっています。
多くの職場がこのような状況だからこそ、BGMを流すことは有効な方法になります。
なぜなら、快適なボリュームで職場にBGMが流れていると、これまで述べたような雑音が耳に入りにくくなるからです。
余計な雑音が耳に入らないということは、仕事に集中しやすくなることを意味します。
そして、快適なボリュームのBGMが存在した方が、多くの人は心地よい環境に感じることでしょう。
注意点としては、あくまでもBGMは適度なボリュームに抑えておくことです。
いくら雑音が消えるとはいえ、あまりにも大きいボリュームで流してしまうと逆効果になることもあります。
3. BGMによって異なる心理的効果
音楽は、ジャンルや曲調によって聞く人にさまざまな影響を与えます。
そのため、職場でBGMを流す場合には、その心理的な影響まで考慮して選ぶ必要があります。
個人が趣味で聞く場合には何を選んでも問題ないですが、職場にはそれにふさわしい音楽を流す必要があるということです。
また、職場で行っている作業内容や状況によっても、流すべきBGMは変わってきます。
例えば、「集中力を維持したい」「リラックスしたい」「気分を盛り上げたい」といったときでは、流すべきBGMの種類も全く変わってくるのです。
職場でBGMを使うときは、このような特徴を良く理解して目的に合ったものを選択するようにします。
そこで、いくつかの状況別にどんな音楽が最適かも見ていきましょう。
まず、単純作業を行う必要がある場合です。
このような場合は、「行う作業のテンポに合う」「音域の変化や転調が少ない」といったものが向いています。
こうしたBGMを流すと、単純作業でも飽きるのを防ぐことが期待できるでしょう。
次に、リラックスしたい場合です。このようなときは、ゆるやかなリズムを奏でるような音楽が最適といわれています。
ゆったりとしたテンポが、心理的にもリラックスさせる効果があるのでしょう。
また、この逆のパターンとして気分を高揚させたい場合は、速いテンポでリズムの変化があるものが向いています。
ただし、あまりにも変化が激しいと仕事に支障をきたすので、邪魔にならない程度の変化のものを選ぶのがポイントです。
それぞれの曲調の特徴を把握して、うまく使いこなしていきましょう。
4. タイムマネジメントに役立つ
職場で流すBGMには、集中力などの心理的効果以外にも意外な役割があります。
それは、タイムマネジメントに役立つということです。
例えば、時間帯などによって流す音楽を変えれば、BGMがさまざまな合図にもなります。
「午前中に流す音楽」「お昼休みに流す音楽」「午後に流す音楽」「残業時間に流す音楽」などを耳から認識することで、時間状況を瞬時に判断できるようになるのです。
このようなことは、通常チャイムや言葉で知らせるものですが、BGMがあることで、自然と職場の全員が意識するようになるでしょう。
それが習慣となれば、時間を意識しながら主体的に動くことにもつながります。
このようなすばらしい効果も、BGMを流すことによって生まれるのです。
職場の音楽の効果でタイムマネジメントに焦点があたることはあまりありませんが、見逃せないメリットの一つといえます。
5. 職場のBGMに向いている音楽とは?
プライベートで音楽を聴くのなら好きなものを選べばよいですが、職場の場合はそうはいきません。
会社には、さまざまな価値観を持った社員が存在していることが普通で、それは音楽においても同様です。
したがって、職場のBGMというのは万人受けする音楽を選ぶ必要が出てきます。
では、具体的に万人受けする音楽というのはどのようなものなのでしょうか。
結論からいうと、それはクラシック音楽です。
クラシックは、特定の癖もなく落ち着いた曲調のものも多いことから、職場で最も好まれる音楽ジャンルの一つといえます。
そのため、何を選曲して良いか迷ったら、とりあえずクラシックからBGMを選ぶようにしましょう。
一方、職場に不向きの音楽ジャンルというものも存在します。
それが、ポップスやロックです。
ポップスの好みは性別や世代によってもかなり変わります。
ロックも同様に聞く人の嗜好で、かなり好みの曲が分かれるジャンルです。
また、どちらも歌詞がついていることが多く、思わず口ずさみたくなることがあります。
これは、仕事に集中するという意味ではマイナスでしょう。
このような傾向があるのでポップスとロックは、職場のBGMには向かないといわれています。
上手に選曲しないと、職場でBGMを流す意味がなくなってしまうので気を付けましょう。
6. 飽きさせない選曲も職場では大事
職場のBGMというものは、毎日聞くことになるものです。
最初は心地よく感じたBGMでも、ずっと同じものを聞いていれば飽きてくることもあります。
飽きるだけならまだ良いですが、最悪の場合は毎日変化のないBGMにストレスが溜まってしまうこともあるのです。
職場環境を良くするために流しているBGMでストレスが溜まってしまったら、本末転倒ですね。
そんな状況を回避するためには、少しずつ音楽の内容を変えるなどの工夫が必要です。
内容を変えることで単調さを防ぎ、聞く人が飽きることを防ぐことが期待できます。
具体的には、時間帯によって流す音楽を変化させていくことが有効です。
例えば、アップテンポの曲を流す時間帯、リラックス効果のある曲を流す時間帯などの、それぞれの役割があります。
その中で、各時間帯で流す音楽の曲を変化させれば、単調さにも歯止めがかかるでしょう。
それぞれのBGMのテイストは統一しておけば、タイムマネジメントの面でも困りません。
このような方法は非常に簡単で効果が高いので、職場にBGMを流すのならば、定期的に行ってみると良いでしょう。
上手にBGMを扱えば、職場の作業効率も大きく上がるはずです。
7. 職場のBGM専門のチャンネルを利用
職場で独自にBGMを流そうと考えても、専門的知識がないと難しい場合もあります。
なぜなら、その職場の雰囲気や目的によっても流すべきBGMは変わってくるからです。
また、ずっと同じBGMでは単調になってしまうため、音楽を定期的に変更する必要性も出てきます。
そのため、総合的に考えるとBGM専門チャンネルを利用して曲を流すのがおすすめです。
これは文字通り、職場で流すBGM専門に扱っているチャンネルです。
その雰囲気やシーンなどによって、実際に流せるBGMも豊富に用意されています。
最も有名なのは有線放送です。
目的や時間帯に合わせて、最適なBGMを選んで流してくれるチャンネルが存在します。
非常に便利なサービスなので、職場にBGMを流したい場合には、利用を検討してみるのも良いでしょう。
もちろん、中には料金がかかるサービスもあります。
しかし、自分たちで独自に流すよりも、より効果的にBGMを利用することが期待できるのです。
8. BGMが逆効果になってしまうことも
職場でBGMを流すことは良い面ばかりにも見えますが、悪い面もいくつか存在します。
その多くは職場におけるBGMの役割を正しく理解しないで、間違った使い方をしているために、マイナスの影響が出てしまうパターンです。
実際にいくつかの例を紹介しましょう。
まずは、選曲する曲の種類が作業内容に合っていなかったり、ボリュームが大きすぎたりする場合です。
このようなときは、BGMによるプラス効果はなくなり、逆にBGMが目障りになってしまいます。
なぜなら、作業内容に合っていなければ違和感を覚えるでしょうし、音が大きすぎれば不快なだけだからです。
このような状況なら、BGMがない方が仕事はしやすいと感じてしまうでしょう。
昼食後の眠気が出やすい時間帯に、ゆったりとしたBGMを流して作業効率が落ちることも、このパターンに当てはまります。
流す音が大きすぎる場合は、さらに不快感が大きく仕事の効率を大きく落としかねません。
職場で流すBGMが大きすぎるために、電話の音が聞き取りづらくなってしまうこともあるでしょう。
このような状況になると、人によってはイライラした心理状態になることもあります。
また、仮に選曲が状況にマッチングしていたとしても、大きすぎる音は不快であることは変わりません。
不適切な使い方をしていると、BGMは逆効果になります。
間違った使い方は仕事の邪魔でしかないので、職場でBGMを扱うときは気を付けるようにしましょう。
9. 選曲と音量に注意して快適な環境づくりに役立てよう
職場にBGMを流すことは、多くの場合で大きなプラスとなります。
なぜなら、BGMを流すことで、集中力がアップすることを期待できますし、感情的な面でも良い効果があるからです。
また、タイムマネジメントとして利用できることも見逃せない部分です。
ただし、これらのさまざまなプラス面は、職場におけるBGMを適切に扱わないと得られない効果ともいえるでしょう。
適切に扱わないと効果がないばかりか、作業効率の低下などのマイナス面も招いてしまいかねません。
したがって、職場におけるBGM効果を最大限に利用しようと考えるなら、いかに適切に扱うかが重要になります。
BGMを適切に扱うために重要なことは、選曲と音量と流す時間帯です。
その職場の雰囲気や実際に作業している仕事内容に合わせて曲を選び、適切な音量で音楽を流すようにすることが重要となってきます。
また、流す時間帯によっても扱う曲は変化が必要です。
それぞれの時間帯によってふさわしい曲はあるので、その辺も上手に考慮して選ぶようにしましょう。
もし、これらのことを自分たちだけで行うのが難しいと感じらたら、有線などの専門チャンネルを利用するのも一つの方法です。
なぜなら、このようなBGM専門チャンネルは、その会社の目的や時間帯に合わせて最適なものを流してくれるからです。
いずれにせよ、まずは自分の会社の現状から最適な選択肢を考えてみましょう。
各会社の社風や所属している業界によっても、適切なBGMというのは変わってくるはずです。
音楽の利用は、活用方法によって快適な社内環境づくりに役立つため、意識をしてみてはいかがでしょうか。
適切に社内のBGMを扱うことで、より居心地の良い職場になるはずです。