【大公開】30坪に満たないオフィスでも、「帰りたくなる場所」はつくれる。横浜営業所の空間づくりの工夫と試行錯誤のすべて
30坪に満たないオフィスで、本社と同じ心地よさをつくれるか。2023年に本社を全面刷新したアットオフィスが次に向き合ったのは、この問いでした。空間設計の段階での工夫から、入居後の改善まで。本社の6分の1の面積で私たちが見つけてきた答えを、ご紹介します。
本社の6分の1の面積で、本社と同じ心地よさを追求
横浜営業所のオフィス設計における最大のテーマは、「本社に引けを取らない、使い勝手のよい営業所を実現すること」でした。
30坪に満たないコンパクトな空間ながら、エントランスにはデジタルサイネージを設け、カフェスペース、集中して作業できるワークスペース、リラックスできるくつろぎスペースを配置しています。規模の差を工夫でカバーし、本社と同様に「また来たくなるオフィス」を実現する空間づくりに取り組みました。
テーマ: 限られた面積を最大限に活かしたい
エントランスのサイネージは、コンパクトなサイズのものを選定しました。専用の待合スペースを設けることなく、来訪者を自然に引き留められる動線を意識した設計により、その分の面積を執務スペースに充てることができています。限られた空間の中では、動線設計が使い勝手に直結しています。
会議室の予約には、本社と同じクラウドシステム「RECEPTIONIST」を導入しています。立地上、本社との行き来も想定されるため、全社員が会議室を事前に予約することが可能な仕組みを整えています。
来訪者を自然に引き留められる動線を意識したレイアウトに
テーマ: この拠点ならではの、記憶に残る空間にしたい
本社では壁面にMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)や中長期ビジョンをアートとして落とし込みましたが、横浜営業所では異なるアプローチを採っています。この拠点の活動の中心である横浜を中心とした地図を、アートとして壁面に仕上げています。
神奈川の地で創業される方、あるいは新たな拠点を構える方にとって、このオフィスで過ごす時間が記憶に残るきっかけとなれば、という思いを込めています。
コストと運用負担を賢く抑える
テーマ: B工事を見越して戦略的なコスト配分をしたい
横浜営業所では、本社でも採用した「ソーシャルインテリア」の家具・什器のサブスクリプションサービスを、さらに活用の幅を広げて導入しました。什器類に加え、モニターや冷蔵庫といった電化製品もすべてサブスクリプションで調達しています。
横浜営業所の入居したビルは、内装工事がすべてオーナー指定業者による「B工事」でした。工事費が高くなることを見越し、工事以外の部分でイニシャルコストを可能な限り抑える方針のもとでこの判断をしています。什器や電化製品をサブスクリプションに置き換えることで、限られた予算の中でも空間の質を保つことができました。
テーマ: 運用の手間を最小限に、福利厚生を充実させたい
スペースの制約上、本社と同数の飲料ラインナップを揃えることは難しい状況でしたが、コーヒーメーカーを設置しています。購入には給与天引き型のキャッシュレス決済システムを導入しています。
全社員は横浜営業所・本社のどちらでも社員証1枚でスムーズに決済できる利便性を実現しています。現金管理が不要なため、バックオフィス担当者の運用負荷を大幅に軽減できる仕組みでもあります。
入居後も使いながら育てる
テーマ: 使われていない空間の見直し
入居当初は、個人が集中して作業できる専用スペースを設けていました。しかし1名分のみという限られた収容人数であることもあり、実際にはほとんど活用されていない状況が続いていました。
そこで現在はこのスペースの活用方法を見直し、冷蔵庫やウォーターサーバーなどの水回り設備と収納エリアに転用しています。オフィスは入居時に作って完成ではなく、使いながら育てていくもの。使われていないスペースをそのままにせず、オフィス全体の使い勝手向上につなげた事例です。
テーマ: 会議室の音漏れストレスを解消したい
2室ある会議室は、予算の都合からパーティション上部(ランマ)をオープン仕様で設計しました。クローズ仕様にすると空調機・感知器・非常照明・非常スピーカー・誘導灯などの設備増設が必要となり、コストが大幅に増加するためです。
しかしオープン仕様ゆえに会議室内の会話が隣室に漏れやすく、入居当初は声を気にしながら使用する場面もありました。ここには後から、YAMAHAのサウンドマスキングシステムを導入しています。音声を完全に遮断するわけではありませんが、聞き取りにくくする効果は高く、特に少し離れた執務スペースへの声の漏れはほぼ解消されました。
現在は、オフィス内装をご検討中のお客様に、実際の空間と設備の効果を体感いただくショールームスペースとしても機能しています。
| 実現したいこと | 神奈川支店横浜営業所の解決策 |
|---|---|
| 限られた面積で心地よい空間をつくる | 細やかな動線設計で、執務室・カフェ・くつろぎスペース・会議室をコンパクトに配置 |
| この拠点ならではの記憶に残る空間 | 横浜を中心とした地図を壁面アートとして設置 |
| 会議室の予約をスムーズに | クラウド予約システム「RECEPTIONIST」で全社員がどこからでも予約可能 |
| B工事によるコスト増を見越した戦略的な予算配分 | 什器・電化製品を全てサブスクリプションで調達し、工事以外の初期費用を圧縮 |
| バックオフィスの運用負荷を軽減 | 給与天引き型キャッシュレス決済で現金管理を不要に |
| 入居後に気づいた点 | 解決策 |
|---|---|
| 使われていない空間の見直し | 集中スペースを水回り・収納エリアへ転用 |
| 欄間オープン会議室の音漏れ対策 | YAMAHAサウンドマスキングを導入し声の漏れをほぼ解消 |
おわりに
コンパクトなオフィスでも、工夫と仕組みづくり次第で豊かな働き方が実現できる。横浜営業所はそれを体現している事例です。
空間設計の段階での判断と、入居後の柔軟な改善の積み重ねが、現在の使いやすさを生み出しています。
横浜営業所は単なる業務スペースにとどまらず、お客様に実際の空間と設備の効果を体感いただけるショールームとしての役割も担っています。ぜひ一度、足をお運びください。
当記事の監修者
髙嶋 秀一郎 | 執行役員 デザイン企画部部長
得意分野:オフィス入居工事(オフィスコーディネート業務)、商品企画
20代で飲食業界から転身、オフィスコーディネーターとしてのキャリアを積む。その後、オフィスのOA機器メーカーで事業開発・商品企画部門の責任者を務め、主に新規事業(新商品)の開発に取り組んできた。
2022年10月よりアットオフィスに入社、入居工事までを一気通貫で提案可能なスキームを構築。オフィスの工事に関わる不安要素を払拭し、お客様に満足いただけるコーディネートサービスを提供している。