オフィスは仕事だけじゃない!?
オフィス作りにコンセプトが必要な理由
新しくオフィスを作るときは、レイアウトやデザインを丹念に考えなくてはいけません。
また、仕事上の効率性も大切です。
そして、これらの作業のベースになるのが「コンセプト」です。
この記事では、オフィス作りに欠かせないコンセプトについて解説します。
1. オフィス作りにコンセプトが重要なワケ
コンセプトとは直訳すると「概要」となります。
オフィス作りにおいては、どのようなテーマに基づき、どのような雰囲気にしたいのかを示す方向性をコンセプトと呼びます。
細かいデザインを決める前に、まずはコンセプトを決定しなくてはいけません。
なぜコンセプトが重要なのかというと、オフィスは会社そのものを表す場所だからです。
社員が快適に過ごし、自社に誇りを持つためには明確なコンセプトが必要とされます。
また、来客もオフィスの中を見て会社へのイメージを左右されるでしょう。
社内外にかかわらず、携わるすべての人々に「どう見られたいか」と考えることで、統一感のあるオフィス作りが可能です。
コンセプトを決めるには、まず「会社の理念」を振り返りましょう。
会社の目的や貢献したい分野と向き合います。
そして、それらを体現するために必要なポイントをオフィスデザインに取り入れていきます。
次に、「会社のビジョン」も想像しましょう。
将来的に会社が進みたい理想象を具体的に思い描きます。
理想を理想のままで終わらせないよう、オフィスデザインにビジョンを反映させることが大切です。
会社が確固たる信念を持って成長していくには、オフィスを通してコンセプトを社員に共有させましょう。
2. コンセプトを明確にするとコストダウンも可能に
オフィス作りではコンセプトがはっきりすることでさまざまなメリットが得られます。
まず、「デザインがはかどる」点が挙げられるでしょう。
空間をデザインするには根底となるテーマが必要です。
方向性が定まらないままデザインをすると、目的の不明な空間が生まれがちです。
そもそも、デザインを考える作業そのものが難しくなるでしょう。
コンセプトが下地にあると、建設的なアイデアが生まれやすくなります。
次に「コストダウン」の面から見てもコンセプトは大切です。
オフィス作りではすべての空間にお金をかけられるわけではありません。
特に重要な部分へと優先的に予算をまわすことが求められます。
何が重要で何が重要でないかを見極めるうえで、コンセプトは基準になるでしょう。
そして、「統一感」を生み出すためにもコンセプトは役立ちます。
コンセプトもないままデザインを進めると、エリアによって雰囲気が変わってしまい統一感のないオフィスになりかねません。
あるエリアはシックなカラーリングなのに、別のエリアは明るいカラーリングが強調されているなど、見映えが悪くなるでしょう。
働く社員の精神衛生にも影響するため、コンセプトに沿ったデザインでバラつきを解消することが得策です。
3. オフィスが社員や顧客へのメッセージを伝える
社員や顧客に与える影響を考えても、オフィスのコンセプトはなくてはいけないものです。
たとえば、社員に会社の理念を理解させることが可能です。
全社員が目的を共有するためにも、理念を浸透させなくてはなりません。
しかし、実際には目の前の作業に追われるあまり、理念まで意識できなくなっている社員は少なくないでしょう。
そこで、毎日を過ごすオフィスのデザインが重要になってきます。
どんなに忙しくても、オフィスデザインが会社を象徴しているのであれば、社員は自然に理念を意識できます。
自社のブランドに誇りを持ち、モチベーションアップにもつながるでしょう。
顧客への影響としては、「企業イメージの認知」が挙げられます。
オフィスカラーは顧客の抱く印象に直結するため、慎重に考える必要があります。
真面目な印象を与えたいなら白や黒が賢明ですし、クリーンな印象なら緑などのさわやかなカラーリングが効果的でしょう。
そして、オフィスデザインは顧客へのメッセージにもなりえます。
コンセプトがはっきりしているオフィスは、会社の方針を強く世間に宣言しているといえます。
社会的信用を高めるために、オフィスデザインのコンセプトは手を抜かず設定したいポイントです。
4. レイアウトはできるだけ社員全員が関われるように
オフィス作りは、経営陣や一部の担当者だけで進めないよう注意しましょう。
なぜなら、実際にオフィスを使うことになるのは現場の社員だからです。
どんなに高尚なコンセプトがあったとしても、現場の意見が反映されていないと実用性のないオフィスになりかねません。
また、オフィス作りに参加意識を持ってもらうためにも、社員の意見を抽出することは必要です。
自分がアイデアに関わったオフィスなら社員の帰属意識は強まり、会社への思い入れを持てるようになるでしょう。
特に、社員にヒアリングしたいのはレイアウトの部分です。
オフィスではレイアウトによって業務効率が変動します。
デスク同士の距離感や動線、休憩スペースの配置などは生産性に影響するでしょう。
たとえば、社員のコミュニケーションを優先するならフリーアドレスなどを導入し、自由にエリアを行き来できるレイアウトを意識します。
一方、作業に集中させたいならパーティションのある空間を多くして、社員が1人になれる時間をサポートしましょう。
どんな設備やレイアウトが必要になるのかは、社員に聞いてみないとわかりません。
すべての社員の意見を採用するのは困難ではあるものの、会社のコンセプトに一致する内容については積極的に取り入れましょう。
5. 社員の交流できるオフィスづくりがトレンド
レイアウトには時代のトレンドも取り入れてみましょう。
オフィス作りにも「流行」があります。
そして、流行とは単なるファッション面だけではなく、現代的なワークスタイルを実現させるためにも重要です。
トレンドだけに流される必要はないものの、適度に採用するとメリットが生まれます。
たとえば、社員同士のコミュニケーションをサポートするのはトレンドのひとつです。
会話がしやすく、所属エリアを越えて行き来できる環境があると、社員間の連携が深まるからです。
コミュニケーションを円滑化するには、「仕切りのないオフィス」を目指しましょう。
壁やパーティションを取り除き、オフィス内を見渡せるようにします。
仕切りがないと、動線に余裕が出るのでストレスなく移動することも可能です。
また、社員の休憩スペースにビリヤードやダーツを置いてみてもいいでしょう。
リフレッシュとしての役割はもちろん、社員が自然に集まってくるようになるのはメリットです。
交流が促進され、社員同士が仲良くなれば仕事にも好影響が出るでしょう。
そして、観葉植物などの草花を取り入れるのもトレンドです。
植物はビジュアル的にもアクセントとなりますし、社員の心も癒してくれます。
来客からの印象もよくなり、企業のイメージアップへとつながるでしょう。
6. オフィス作りは経営そのもの
コンセプトがどうしてオフィス作りで重要視されるのかというと、「空間は経営方針を象徴する」からです。
経営が雑な会社は、オフィスも乱れていてストレスがたまりやすい空間になってしまうでしょう。
逆に、経営方針が明確な会社はオフィスも整とんされ、目的に合った機能がそなわっています。
それに、オフィスは来客の目にも入る場所です。
来客がオフィスに悪いイメージを抱けば、会社の信用力も失墜しかねません。
何より、デザインコンセプトは毎日オフィスで過ごす社員のモチベーションに関わります。
社員が会社を愛し、理念を共有するためにもコンセプトをはっきりさせましょう。
そして、統一感のあるオフィスをデザインできれば企業力を高めることができます。