小規模オフィスはどう選ぶ?
小規模オフィスのメリットと選び方の4つのポイント
1人だけで起業する場合や、少人数の会社を立ち上げるような場合、職場に小規模オフィスを選ぶというケースが多く見られます。
小規模オフィスは面積が限られており、利用できる人数も少ないので、個々の意見を取り入れやすかったり、レイアウトが比較的自由だったりするのが特徴です。
この記事では、小規模オフィスのメリットや選び方について解説していきます。
小規模オフィスを選ぶメリット
どんな規模のオフィスを選択するかによって、得られるメリットはそれぞれ異なります。
1人での起業や少人数の会社のために小さな規模のオフィスを導入しようと考えている人は、小規模オフィスならではのメリットを理解しておくことが重要です。
小規模オフィスを利用することで得られる大きなメリットとしては、費用を安く抑えられるという点が挙げられます。
オフィスを借りる際に必要となる敷金や賃料などは、築年数や立地条件などにある程度左右されるものの、基本的には規模が大きいほど高く、規模が小さいほど安くなるのが特徴です。
したがって、小規模オフィスであれば、少ない資金で職場を確保することが可能です。
また、オフィスを構えるときには、さまざまなオフィス用品が必要になります。
デスク・椅子・来客用ソファ・キャビネットなどといった家具や、パソコン・コピー機・オフィス用電話などといったOA機器は、オフィスに不可欠だといえます。
さらに、文房具・ボード類・コーヒーメーカー・ウォーターサーバーなど、消耗品や備品も取り揃えなければいけません。
職種によっては、このほかにも必須となるオフィス用品がいくつかあるでしょう。
これらを準備するのにかかる初期費用に関しても、オフィスの規模に比例するのが一般的です。
小規模オフィスなら準備するオフィス用品の数が少なくて済むので、初期費用を抑えることが可能です。
加えて、準備するオフィス用品が少ない分、高品質で高性能なものを選択しやすいといった側面もあります。
もしも、長時間座っていても疲労がたまりにくい高性能チェアや、作業スピードを高速化できる最新パソコンやソフトウェアなどを導入できれば、作業効率の向上が見込めるでしょう。
労働環境の良化にもつながりますから、従業員の満足度やモチベーションを高める効果も期待できます。
オフィスのレイアウトを統一しやすいというのも、小規模オフィスの重要なメリットです。
面積が小さい小規模オフィスは、家具や備品などの配置がイメージしやすく、作業効率の高い動線などを意識したレイアウトが考案できます。
そして、小規模オフィスなら準備するオフィス用品が少ないので、それぞれの色やデザインを統一することも容易です。
「気に入ったデザインの椅子を見つけたのに、店舗に必要な分の在庫がなかった」などといったトラブルも、少なくなるでしょう。
新たに大型のオフィス用品を導入する・オフィスのレイアウトを変更するなどといった場合も、労力が少なくて済むのが魅力です。
従業員の個性を反映させたオフィスにしたいというようなケースでも、人数が少ない分、ひとりひとりの意見を取り入れることができます。
コミュニケーションを取りやすいという点も、小規模オフィスの見逃せないメリットです。
ほかの従業員になにかしらの用事があるときも、声が届く位置にいるので、いちいち立ち上がって移動したり、作業を止めたりする必要がありません。
それぞれがどんな作業を担当しているか、作業の進み具合はどの程度かといったことも把握しやすくなりますから、作業効率も向上します。
レイアウトを工夫して、従業員がお互いの顔を確認できるようなデスクの配置を実現できれば、コミュニケーションはより取りやすくなるでしょう。
選び方のポイント①:地元密着の不動産屋をチェック
オフィスをはじめ、さまざまな用途で物件を探す際に、インターネットを利用して大手不動産会社のサイトを検索するという人が多いのではないでしょうか。
しかし、小規模オフィスを探している場合は、地元に密着した不動産会社に相談してみるのも1つの選択肢です。
地元密着型の不動産会社のなかには、インターネット上には掲載されていないような物件情報を扱っている会社もあります。
小規模オフィスに関しても、地元密着型の不動産会社のほうが、より多くの情報を得られる傾向が見られます。
ただし、地元密着型の不動産会社を利用するときは、1社だけなく、複数の会社を回って情報を集めましょう。
会社ごとに扱っている物件情報が違いますし、同じ物件であっても、手数料が異なる場合があります。
また、可能な限り多くの不動産会社の情報をチェックすることで、賃料の相場を把握しつつ、地域の特性についても知ることができます。
選び方のポイント②:「立地」をどう考えるか
小規模オフィスを選ぶ際、立地も重要なポイントです。
それぞれの地域には特色やイメージがあり、自分のオフィスがどの地域にあるのかによって、周囲に与える印象に少なからず影響があります。
そのため、間取りや賃料だけでオフィスを選択するのではなく、物件がある地域が周囲からどう思われているかを、充分に意識しなくてはいけません。
もし、イメージのいい地域に物件を構えることができれば、自社の信頼度を高めることにもつながります。
それから、特定の業種が集まっている地域を選ぶことで、業務の効率化や販路の拡大を目指すこともできるでしょう。
自社のビジネスに関連する業種が多い地域であれば、打ち合わせ・発注・納品という一連の流れを地域内で完結させることができますし、会社同士のネットワークを有効活用することも可能です。
また、最寄り駅から自社までのアクセスに注目することも大切です。
最寄り駅からバスやタクシーが手軽に利用できる場合、駅からやや遠目の場所にオフィスを構えるのもいいでしょう。
そうすることで、利便性をそれほど損なうことなく、オフィスの賃料を下げることができます。
そして、そもそも来客が少ない業種・ビジネスであれば、好条件の立地が有効に作用しないこともあります。
自社の特徴に合わせて、駅のすぐ近くやオフィス街の物件はあえて避け、賃料を下げるというのも賢明な判断です。
選び方のポイント③:事業継続性のBCPを意識する
オフィス選びでは、BCPを意識することも大切です。
BCPとは、Business Continuity
Planningの略称で、和訳すると「事業継続計画」という意味になります。
あらゆる脅威から企業活動を守り、事業を継続するために必要となる計画を指します。
日本でBCPの必要性が高まったきっかけは、東日本大震災でした。
そのため、日本では多くの場合、災害を想定した事業継続計画を含む施策全般を指す言葉として、BCPが用いられます。
災害に対する具体的な施策としては、災害発生時の対応・復旧期の行動指針・日常的な備えなどが挙げられます。
起業して間もない会社であっても、もちろんBCPは意識しなければいけません。
しっかりとしたBCPが準備されているかどうかは、会社の信用度に直結します。
実効性の高いBCPを構築するうえで、まず重要となるのが耐震性です。
オフィスを選ぶときは、物件が1981年6月に施行された建築基準法で定められた耐震基準を満たしているか、入居を決める前に必ず確認しましょう。
たとえ古い建物であっても、充分な耐震性を備えている場合もあります。
ほかにも、一定期間以上の供給能力を備えた非常用電源・ライフラインが途切れてしまった際にも使用できる上下水道・非常用品の備蓄なども、BCPに欠かせない要素です。
選び方のポイント④:共用部分は清潔か
共用部分が清潔に使用されているか否かも、小規模オフィスを選ぶ際の大きなポイントです。
共用部分が汚れていると労働環境として不適切ですし、頻繁に来客がある業種やビジネスでは、大きなマイナスイメージになりかねません。
ですから、廊下・階段・エレベーターなどの共用部分が清潔に使われているか、しっかりと確認しましょう。
同時に、清掃は誰がどれくらいの頻度で行うのか、ゴミ集積所の利用状況はどうなっているかといったことも、入念にチェックしておくのが無難です。
増員を想定して選ぶと融通のきくオフィス選びができる
小規模オフィスはコストを低く抑えることができ、経営者や従業員の好みに合わせた利用が可能です。
そのため、労働環境の良化・モチベーションの向上・作業効率アップなどが期待できるでしょう。
さらに、従業員の数が多少増えても問題ない広さのオフィスを選んでおけば、業績好調で人手が欲しくなったときにも、柔軟に対応できるのでおすすめです。