オフィス移転の常識が変わる? 「居抜き退去」のリアル
「オフィス移転はどうしてこんなに費用がかかるのか」そう思ったことはありませんか?
賃貸借契約のルールに従い原状回復をして退去しようとすると、なんと見積もりは数千万円。そこに、新オフィスの内装工事費が加われば、コストはさらに膨らみます。
そこで注目されているのが「居抜き退去」という選択肢です。
本記事では、居抜き退去によって移転費用の大幅なコスト削減に成功した株式会社パンスールの専務取締役 大亀雄平様に、移転の背景や「居抜き退去」を選んだ理由を伺いました。
「オフィスへの投資」の優先順位が変わった
株式会社パンスールがこのオフィスを借りた当初、重視していたのは「ブランディング」や「採用力」でした。
企業の印象を良くすることも目的のひとつで、来客時の見せ方や、求職者に“ここで働きたい”と思ってもらえるようなオフィスづくりを意識していました。
しかし、コロナ禍を経て状況は変わります。リモートワークが普及し、オンラインでの打ち合わせが主流に。社員が常にオフィスにいる必要もなくなり、業務委託の活用も増えてきました。
「移転」の話はこの頃から出始めていましたが、簡単には決断できませんでした。
移転には原状回復や新オフィスの内装工事など、コストも工数もかかるため、なかなか踏み切れず、先送りにする状況が続いていました。
そんな中、ある事業の売却が決まり、オフィスの半分が不要に。このタイミングで、いよいよ移転を本格的に進めることになりました。
移転コストを抑えたい! - “居抜き退去”という選択肢
いざ移転を決めたとき、直面したのが原状回復費の高さでした。工事の見積もりは2,000万円以上。新オフィスの内装工事も考えれば、トータルでの負担は想像以上に大きくなります。
そこで浮上したのが「居抜き退去」という方法でした。後継テナントに内装を引き継いでもらえれば、原状回復工事をせずに退去できる。これなら、新オフィスへの移転コストと合わせても、負担を大幅に軽減できる可能性があります。
そこでオフィス仲介会社に相談し、移転先の選定と並行して今のオフィスの後継テナント探しを本格化させました。
後継テナント探しの難しさ
声をかけた5社ほどの仲介会社からの紹介や、知人のネットワークでも情報を広めたことで、20社ほどの企業が内見に訪れました。とはいえ、後継テナントはすぐには見つかりませんでした。
最終的にアットオフィスさんが紹介してくれた企業と話がまとまり、無事に後継テナントが決まりました。本当に助かりました。
実際に居抜き退去で移転して感じたこと
今回の移転を経験し、大亀専務は「これまで当たり前だったオフィス移転のやり方が、今後変わっていくのではないか」と感じたといいます。
今回の移転では居抜き退去を実現できたことで、原状回復費2,000万円以上のコストを削減できました。もし後継テナントが見つかっていなかったら…と考えると、今回の移転の成否を分ける重要なポイントだったと実感しています。
一方で、新しくオフィスを作るなら、という視点でも感じたことがあると言います。
まとめ
賃貸オフィスの退去時に求められる「原状回復」は慣習として根付いており、今も多くの契約で義務とされています。原状回復費用は移転を考える企業にとって大きな負担のひとつです。
そこで、近年注目されているのが「居抜き退去」という選択肢です。
株式会社パンスール様の事例のように、後継テナントが見つかることで実際に2,000万円以上のコスト削減につながるケースもあり、移転時の負担を大幅に軽減できる可能性があります。
もちろん、すべての物件で居抜き退去が可能なわけではありません。
ビルオーナーの意向によって難しいケースもあれば、後継テナントを募っても折り合わず、結果的に原状回復を行うことになる場合もあります。
しかし、可能性を探り、できる限り動くことで、大きな出費を回避し、事業成長や別の投資に資金を回せる可能性が生まれます。
アットオフィスでは、「居抜き退去を希望する企業」と「居抜きでの入居を検討する企業」のマッチングをサポートし、スムーズな移転をお手伝いしています。
居抜き情報としての掲載や紹介はもちろん、解約予告前のご相談も可能ですので、お気軽にご相談ください。