専用ソフトがなくてもできる?
エクセルで手軽にオフィスレイアウトを作る!
事務所改装や移転に伴うオフィスのレイアウトは、専用のソフトがないと作成できないと考える人は多いのではないでしょうか。
しかし、簡単なオフィスレイアウトであれば、エクセルを使用して作成することが可能です。
この記事では、エクセルで簡単にレイアウトを作成するコツについて解説します。
1. レイアウト作成にエクセルを使う5つのメリット
エクセルは、WindowsなどのOSがインストールされているPC環境があれば使用できます。
専用のソフトであれば、本格的なレイアウト図を完成させることができるので、家具やデスクなどレイアウトも具体的に表現することが可能です。
しかし、専用ソフトは初心者でも操作しやすい補助機能が備わっているものの、完璧に使いこなすには時間がかかるかもしれません。
エクセルであれば業務上使ったことがある人も多いため、その使用経験から作業もしやすいと言えるでしょう。
また、エクセルは図形を挿入しやすいというメリットがあります。
完璧にレイアウトを表現することは難しいかもしれませんが、図形を使用してオフィスのデスクや什器の位置情報を表すことができます。
画面上に表示されるセルをグリッド線として利用すれば、縦や横などの位置関係も決めやすくなります。
さらに、斜めに線を入れたり、自由に曲線を描けたりする機能も備わっているため簡単に描写をすることができるでしょう。
こうしてエクセルで完成されたレイアウト図は、データがあればプリントアウトして書類化できるだけでなく、メールを利用して社内で共有することが可能です。
もし修正が必要であれば、難しい操作は必要ないので誰でも修正作業をすることができるでしょう。
簡易的な図面で問題ない場合は、まずはエクセルでたたき台を作ることが有効だと言えます。
2. そのままでは使いにくいエクセルをレイアウト仕様にする方法
エクセルでのレイアウト作成において、セルを方眼紙のように正方形に設定すると、図形で表示するデスクや什器を配置する際に位置関係を分かりやすく示してくれます。
このファーマットをベースにすれば、時間が短縮できるだけでなく全体の構成を簡単にレイアウトできるようになるため、他人が見ても分かりやすい図面が完成するでしょう。
方眼紙の設定方法の手順としては、エクセル上の左上にある選択ボタンを選択します。
クリックすると作業中のワークシート全体が選択された状態になります。
次に列の間の境界線にマウスを移動して、クリックしたまま左に引っ張ると幅が変更されます。
Office2007や2010の初期状態の行の高さは18なので、列の幅も18ピクセルの位置に設定すれば正方形の方眼紙が完成します。
Office2016では、25ピクセルになるので注意するようにしましょう。
また、18や25ピクセルだけでなく、全てのセルを選択して列の幅と行の高さのピクセルを同じ数値にすることで好きなサイズの方眼紙を作成することができます。
3. セルを方眼紙にしてもまだエクセルが使いにくいときには
セルを方眼紙のように設定しても、そのままのフォーマットではレイアウト作成にはまだまだ不便だと言えます。
一般的なワークシートではサイズの単位はピクセルになっていますが、基準となる寸法を把握するために、ミリやセンチに表示モードを変更する必要があります。
4. エクセルの設定を「センチ」や「ミリ」に変更する方法
表示を変更するには、画面の右下にある画面表示切り替えショートカットを使用しましょう。
通常は一番左の標準モードになっていますが、真ん中に位置するページレイアウトに切り替えます。
画面のレイアウト表示が変わったら、左上にある選択ボタンをクリックしてワークシート全体を選択します。
選択ができたら、列番号の上で右クリックして、ショートカットメニューの一覧リストから列の幅を選びましょう。
表示された画面で設定したい数値と単位を半角英数で入力します。
OKボタンをクリックすれば、列幅は希望の数値に変更されます。
次は行の高さを変更する方法を説明します。
まずは、行番号の上で右クリックしてショートカットの一覧リストから行の高さを選択します。
列の数値と合わせて入力が完成すれば行の高さも希望の数値が反映されます。
作業が完了したら、切り替えのモードをページレイアウトから標準に変更するのを忘れないようにしましょう。
細かいセルの方眼紙を作成した場合は、文字サイズの変更も必要になります。
まずは文字サイズを変更したいセルを操作ができるアクティブ状態にしましょう。
次にタブからホームボタンを選択して、フォントサイズ変更のプルダウンメニューを開きます。
変更したい文字サイズを選択すれば、文字サイズは変更されます。
セルから文字がはみ出している場合は、列の境界線をダブルクリックして調整すると、セルからはみ出した文字が自動的にセル内に収まります。
もしプリントアウトして書類化の必要がないのであれば、とりあえず初期設定の18ピクセルに合わせるといいでしょう。
また、全体を確認するにはズーム機能が有効です。
フォーマットの一番右下に位置するズーム機能を、スライダーをクリックしたまま左に移動しましょう。
スライダーを「+」の方向に移動すると拡大し、「-」の方向に移動するとワークシートが縮小されます。
5. レイアウト作成時の注意点
図面を作成する場合に正確な寸法を把握することは、社内をより具体的に想像することができるので、レイアウト上で重要な要素です。
オフィス家具のサイズを測ったら、エクセルで作成した方眼紙のフォーマットに、長方形や円といった図形描画機能を備えたオートシェイプと罫線を活用して配置していきましょう。
特にオートシェイプ機能は、自分で図形を描いたり、図解で分かりやすく表現したりすることができます。
そのため、レイアウト作成では欠かせないツールだと言えます。
線を描くための基本的な手順は、まずタブの挿入ボタンから図形を選択します。
ショートカットの一覧リストから希望の線の種類を選びましょう。
線を選ぶとマウスポインタが+印で表示されるので、線を伸ばしたい方向へドラッグして曲線を引くことができます。
エクセルのオートシェイプは自分の好きな形と長さに調整できるので、図面を作る際にとても便利な機能です。
またレイアウトを考える際、家具の配置だけでなく通路の幅も検討しなければいけません。
特にレイアウトを考えるうえで、人が通る導線を確保することは大切です。
レイアウトを工夫することで、コミュニケーションが取りやすいスペースが作れたり、作業しやすくなったりすることで仕事の効率は大きく変わるでしょう。
また柱、窓、照明、コンセント、ドアなども図面に書き入れれば、より鮮明にオフィス内のレイアウトをイメージすることが可能になります。
オフィスをレイアウトする場合、どのように空間を埋めるかを考えることも大事ですが、物を置かない余白スペースを確保することも重要であると言えます。
オフィス内の余白空間の割合が大ければ大きいほど作業者の快適指数も高まります。
オフィス内のゆとり空間の目安として、全体の約70%の余白が標準と言われており、この標準数値が下がると作業者は働きにくいと感じる傾向があります。
また、収納ラックやコピー機の位置も、導線を考慮して邪魔にならない場所に配置するようにしましょう。
有効的に空間を利用する省スペースに対応するデスクや収納家具も増えています。
限られたスペースの中で、どのように配置すれば空間をうまく利用できるのか考慮して理想のオフィスを実現しましょう。
6. エクセルは表計算だけでなく絵や図形を描くのにぴったり
簡単にレイアウトを作成するには、専用のソフトがなくてもエクセルで十分だと言えます。
多くの人が業務上使用しているエクセルは、誰でも容易に絵や図形が描ける便利なツールであるということを覚えておきましょう。