オフィス移転の成功ポイントとは?
必要な作業や移転のスケジュールをご紹介
オフィス移転は、企業にとって大きな節目となる重要なプロジェクトです。しかし、移転作業が円滑に進むためには、正確なスケジュールと計画が必要不可欠です。
本記事では、オフィス移転の成功に不可欠なポイントや、具体的な移転作業のスケジュールについて詳しくご紹介していきます。
移転準備の重要性やスケジュール作成のポイントについて理解を深めることで、オフィス移転の成功に近づくことができるでしょう。皆様のビジネスにとって、スムーズなオフィス移転が実現するよう、ぜひご参考にしていただければ幸いです。
目次
- 1. オフィス移転のスケジュール(30坪程度を想定)
- 2. オフィス移転を成功させるポイント
- 2-1. スケジュールは余裕を持って
- 2-2. 専任の担当者を決める
- 2-3. オフィス移転の専門業者に依頼する
- 3. オフィス移転は専門の業者を頼ってスムーズに進めよう
オフィス移転のスケジュール(30坪程度を想定)
30坪程度を想定したオフィス移転のスケジュールを紹介していきます。
- 8ヶ月前
- 7ヶ月前
- 6ヶ月前
- 5ヶ月前
- 4ヶ月前
- 3~2ヶ月前
- 1ヶ月前
- 移転当日~1ヶ月後以内
プロジェクトの規模や要件によって異なる場合もありますので、具体的な計画は各企業ごとに検討されることをおすすめします。
8ヶ月前
まず、8ヶ月前から始めるべきこととして「移転の目的や方針の策定」について解説していきましょう。
移転の目的や方針の策定
この段階では、オフィス移転で達成したい目標を明確に設定することが求められます。目標設定は、移転プロジェクトの成功に直結する重要なステップです。
まず最初に行うべきことは、現在のオフィスの課題や問題点を抽出するために現状調査を行うことです。社員からのフィードバックや意見を聞き、効率性の向上や働きやすさの改善など、現オフィスで解決すべき課題を明確化します。
次に、目標設定と現状調査を組み合わせて進めていく必要があります。移転によって解決すべき具体的な問題や改善すべき領域を特定し、それらに対応する目標を設定します。
例えば、社内コミュニケーションの促進やチームワークの強化、新たなクライアント層の獲得など、具体的な目標を掲げることが重要です。
7ヶ月前
7ヶ月前には「新オフィス探し」を開始しましょう。
新オフィス探し
まず、ウェブサイトで条件を入力して物件情報を獲得します。この際、予算や希望するエリア、広さなどの条件を明確に設定することが重要です。入力した条件に基づいて検索結果が表示されるため、自社のニーズに合う物件を見つける手助けとなります。
次に、複数のウェブサイトを比較して空室率や賃料の傾向を把握します。異なるウェブサイトでは情報の幅や詳細度が異なるため、複数のサイトをチェックすることがポイントです。空室率や賃料の傾向を確認することで、市場相場や競争状況を把握できます。
さらに、自分が探しているビルの特徴や仲介業者の傾向も把握しておく必要があります。たとえば、交通アクセスの便や駐車場の有無、周辺環境などビルの特徴を調査しましょう。また、仲介業者によって取り扱い物件やサービスが異なる場合もありますので、それぞれの業者の特徴や評判を調べておくことが重要です。
6ヶ月前
6ヶ月前は「新オフィスの契約」、「現オフィスの契約確認・解約予告」、「原状回復工事の依頼」を行う必要があることを解説していきます。
新オフィスの契約
この時点で行うべきことは、管理会社との賃貸契約に関する説明を受けることです。重要事項説明では、契約条件や費用、物件のルールや制約などが詳細に説明されます。
この説明中に、不明点や疑問があれば積極的に質問しましょう。何かわからない点があった場合は、すぐに質問して疑問を解消することが重要です。後々トラブルの原因にならないよう、曖昧なまま進めることは避けましょう。
また、契約締結後は不動産会社へ仲介手数料を支払う必要があります。仲介手数料は不動産会社や物件によって異なりますが、通常は賃料の1ヶ月分程度とされています。
現オフィスの契約確認・解約予告
一般的な普通借家契約の場合、解約通知は移転予定日の6ヶ月前から行われます。この期間内に解約手続きを完了させることが求められます。
ただし、解約通知を行った後に早期解約を希望する場合、解約料が発生する可能性もあります。このため、移転を検討している企業は、入居中のオフィスの賃貸契約条件を事前に確認することが推奨されます。
原状回復工事の依頼
最初に確認すべきは、契約書上で設定されている期限です。この期限を把握することで、工事の完了時期を計画することが可能です。また、オフィスの規模によっても工事期間と費用が異なることがあります。一般的な目安としては、30坪程度のオフィスでは1〜2週間程度、100坪以上の大規模なオフィスでは1ヶ月程度の時間を要する場合があります。
費用に関しては、一般的な相場としては小・中規模オフィスで1坪当たり2〜5万円程度、大規模なオフィスで1坪当たり5〜20万円程度です。
さらに、契約書で原状回復の義務範囲を確認することも重要です。この中には具体的な項目や内容が含まれており、それに基づいて工事業者と打ち合わせを行うことになります。契約書を詳細に確認し、工事の範囲や条件などを明確化しておくことで、後々のトラブルや追加費用の発生を防ぐことができるでしょう。
5ヶ月前
5ヶ月前には「新オフィスのレイアウト相談・施工スケジュール作成」や「電話・OA機器移設依頼」を行います。
新オフィスのレイアウト相談・施工スケジュール作成
まず、複数の内装工事業者から見積もりを取り、レイアウトについての相談を進めていく必要があります。この段階では、各業者から提案されるアイディアやコンセプトを比較し、最適な選択肢を検討することが求められます。
また、施工スケジュールも立てていかなければなりません。移転日までに確実に作業を終えるためには、細かなタスク毎に期限を設定し、計画的に進めていく必要があります。内装工事の段階的な進捗状況や関連する業者との調整も考慮しながら、移転日までに全ての作業が完了するようなスケジュールを策定することが重要です。
電話・OA機器移設依頼
通信インフラは業務上で最も重要な設備の一つであり、スムーズな運営を維持するためには迅速で効率的な対応が求められます。
移転に伴う電話回線やインターネットの取り扱いは、トラブルに備えた対策が必要です。まず、移転先の施設が適切な通信インフラを提供しているかを確認しましょう。必要に応じて、新規契約や移転手続きを行うことが求められるかもしれません。
さらに重要なポイントとして、事前の動作検証が欠かせません。移転先で正常に通信が行えるかどうかを事前に確認することで、問題が発生した場合に早急な対処が可能となります。具体的には、電話回線やインターネット接続のテストを行い、通信品質やデータ転送速度を確認しましょう。
4ヶ月前
4ヶ月前にやることとしては、「新オフィスのレイアウト・内装工事業者決定」、「運搬業者選定」があることを説明していきます。
新オフィスのレイアウト・内装工事業者決定
オフィスのレイアウトは、企業のブランドイメージや働き方に合わせて決めるべきです。従業員の効率性や快適さを考慮し、ワークスペースの配置や共有スペースの構築などを検討しましょう。
レイアウトが決まったら、それに基づいて適切なオフィス家具を選ぶことも重要です。従業員のニーズに合致したデスクやチェア、収納スペースなどを選ぶことで、より働きやすい環境を作ることができます。
特に、フリーアドレスやABWなどの新しい働き方スタイルを導入する場合は、多様なワークスタイルに対応できるようなレイアウトを考える必要があります。柔軟性と協調性を重視した空間設計が求められます。
次に、内装工事業者の選定ですが、信頼性と実績の確認が重要です。移転専門業者か、工事や内装デザインも請け負う業者かを検討しましょう。経験豊富な専門家がいる業者を選ぶことで、スムーズな工事が期待できます。
廃棄物処理の対応も忘れてはいけません。移転に伴って不要になるオフィス家具や備品の処分方法を確認し、コスト削減につなげることも可能です。また、アフターフォローやオフィスづくりへの対応も業者選定時に考慮すると良いでしょう。
運搬業者選定
まず、複数の業者から見積もりを取ることが大切です。異なる業者からの見積もりを比較し、費用やサービス内容などを慎重に検討することで、最適な業者を選ぶことができます。また、信頼性や実績も重要な要素ですので、事前に口コミや評判を調べることもおすすめです。
一般的に、運搬業者は荷物の搬入出のみを請け負う専門業者です。しかし、中には不用品の回収や電話・LAN工事なども一括して請け負ってくれる業者もあります。移転後の新しいオフィスで使用するICT環境が整備されているかどうかも確認しておくべきポイントです。
3~2ヶ月前
3~2ヶ月前には「内装設備・什器発注」や「取引先への挨拶状・社内印刷物の発注」などの作業が必要になります。
内装設備・什器発注
まず最初に考慮するべき点は、OA機器、オフィス家具や什器、ICT、セキュリティーなどの項目です。これらの項目を総合的に考えることで、最適な選択が可能となります。必要な環境や利用後の運用方法なども念頭に置きつつ、将来的なコスト削減を見据えた選定を心掛けましょう。
ただし、設計やデザインに特化した企業が全ての領域に詳しいわけではありません。そのため、内装設備や什器の発注先を決める際には、両方の要件に対応可能な企業を探すことが重要です。信頼できるパートナーを見つけるためには、実績や評判を調べ、過去のプロジェクトの成功例を参考にすることもおすすめです。
取引先への挨拶状・社内印刷物の発注
まずは、2か月前から連絡が必要な先をリストアップしましょう。このリストには、顧客や取引先だけでなく、金融機関、備品リース会社、会計士・税理士、加盟団体なども含めておきます。
次に挨拶状や挨拶メールの準備を進めましょう。これは移転のお知らせと共に、感謝の意を伝えるものです。取引先へ送付するために、必要な数の印刷物を発注しておきましょう。
また、書類や備品の住所変更も行う必要があります。例えば、契約書や請求書、さらには印鑑・名刺・社員証などの住所変更が必要です。
1ヶ月前
1ヶ月前になると「引っ越し準備」や「取引先への連絡」などの作業を進めていきます。
引っ越し準備
社内の全員に移転の日程を周知させるために、説明会を開くことが重要です。この説明会では、移転プロジェクトの詳細やスケジュールなどを社員に伝えることができます。
また、その機会を活用して、社員に廃棄するものと持っていくものを選別して梱包するよう促すことも大切です。引っ越し当日に追われないよう、余裕を持って荷造り作業を進めることがポイントです。
取引先への連絡
移転の日程が確定したら、早急に取引先への連絡を行うことを忘れないようにしましょう。このためには、チェックリストを作成することがおすすめです。連絡漏れを防ぐため、必要な情報や手続きを明確にしておくことが重要です。
取引先への連絡は、直接の方法だけでなく、公式サイトや公式SNSを通じても行うことが効果的です。移転先の情報を正確かつ明確に通知・掲載する際には、社内で住所や電話番号の正確性を再度確認することも重要です。
移転当日~1ヶ月後以内
移転当日~1ヶ月後以内には「旧オフィスの引き渡し」、「関係官庁への手続き」などの重要な作業があります。
旧オフィスの引き渡し
移転当日から数週間前になったら、工事業者と連絡を取り、原状回復工事の進捗状況を確認しましょう。工事が完了しているかどうかを把握するために、定期的な打ち合わせを行いましょう。
次に、工事が完了したら旧オフィスのオーナーや管理会社と連絡を取り、引き渡しの日程を調整します。通常、引き渡し時にはオーナーまたはその代理人と業者が立ち会いますので、その都合も考慮しなければなりません。
引き渡し当日には、重要な書類や鍵など必要な物品を準備しておくことが重要です。また、旧オフィス内の設備や備品が正常に動作しているか確認し、必要な場合は修理や清掃を行いましょう。
引き渡しの際には、引越し業者や関係者と共に、立会いを行います。旧オフィスの状態や設備の有無などを確認し、不備があれば速やかに対応することが求められます。
関係官庁への手続き
オフィス移転の移転当日から1ヶ月後以内には、関係官庁への手続きが必要となります。この手続きは保険や登記、郵便局への届け出を含みますが、それぞれの提出期間内に提出することが重要です。
まず、オフィス移転に伴い変更される保険についてです。新しいオフィスでの保険契約を結ぶ必要があります。これにより、火災や盗難などのリスクに備えることができます。保険会社とコミュニケーションを取り、必要な手続きを進めましょう。
次に、オフィスの移転先住所の変更や法人名の変更など、登記簿上の変更手続きが必要です。これは法務局への届け出になります。正確な情報を提供し、早急に手続きを完了させましょう。
また、郵便物の送付先も移転先に変更する必要があります。郵便局への届け出を行いましょう。これにより、重要な書類や郵便物が迅速に移転先に届けることができます。
sさらに、オフィス移転に伴う防火対策も忘れてはいけません。防火対象物使用開始届出書や防火対象物工事計画届出書、そして防火管理者専任届出書などの提出が必要です。これらの手続きは意外と忘れやすいものですが、しっかりと行っておきましょう。
オフィス移転を成功させるポイント
オフィス移転を成功させるためには、以下の3つのポイントに注意することが重要です。
- スケジュールは余裕を持って
- 専任の担当者を決める
- オフィス移転の専門業者に依頼する
スケジュールは余裕を持って
不足や遅延に備えたスケジュールは、移転プロセス全体の円滑な進行に役立ちます。特に書類手続きに不備があると、全体のスケジュールに影響が出る可能性がありますので、早めに準備を始めることが必要です。
移転候補となるオフィスの入居審査なども時間を要する場合がありますので、このような手続きにかかる日数も計算に入れて適切なスケジュールを組む必要があります。また、管理会社や不動産業者との折衝や見積もり依頼なども時間を必要とするため、これらも考慮しながらスケジュールを調整していくことが重要です。
専任の担当者を決める
手続きや役割ごとに担当者や担当チームを明確にすることが重要です。移転にはさまざまな手続きが必要であり、それぞれの手続きごとに責任を持って進めることが求められます。
たとえば、業者選定やビルの契約交渉、家具の購入など、それぞれの領域で専門的な知識や経験が必要です。担当者や担当チームを適切に配置することで、各手続きが効率的に進行し、適切な情報共有も行われます。
さらに、専任の担当者を決めることで計画を具体化し、進捗を確認しやすくすることができます。移転作業は多岐にわたり、スケジュール管理や業務内容の調整など、緻密な計画が必要です。
オフィス移転の専門業者に依頼する
オフィス移転は、多くの手続きや準備が必要です。専門業者に依頼することで、これらの手続きや準備を効率的に進めることができます。専門業者は経験豊富であり、移転に関する知識やノウハウを持っています。そのため、適切なタイミングで必要な手続きを行い、円滑な移転を実現することができます。
また、専門業者に依頼することで社員の負担を減らすことも可能です。移転作業は非常に大変であり、社員にとってストレスや負荷がかかることがあります。しかし、専門業者に全てを任せれば、社員は自身の仕事に集中することができます。これにより、生産性の低下を防ぐことができます。
さらに、専門業者に依頼することで移転に関するアドバイスを受けることができます。専門業者は多くのオフィス移転プロジェクトに携わってきた経験から、最適な移転計画やレイアウトについてのアドバイスを提供してくれます。彼らの専門知識や経験を活かすことで、移転後のオフィス環境をより快適かつ効果的なものにすることができます。
オフィス移転は専門の業者を頼ってスムーズに進めよう
この記事では、オフィス移転を成功させるためのポイントや必要な作業、移転のスケジュールについて詳しくご紹介しました。
オフィス移転は大きなプロジェクトであり、計画的な進行が求められます。必要な作業やスケジュール管理、業者の選定など、細かなポイントを押さえることが成功の基礎となります。
この記事でご紹介した情報を参考に、オフィス移転を成功させるためのステップを踏んでください。