オフィスで快適に仕事をしたい!
スムーズに人が通れる幅とは
オフィスで仕事をしていて、人と人がすれ違うときに肩が当たったり、カバンが当たったりして通りにくいと思ったことはないでしょうか。
熟考してレイアウトを組んだにもかかわらず、実際に仕事をしていると、とても使い勝手が悪いと感じることがあるでしょう。
せっかく便利なオフィス家具を配置しているのにワークスペースや動線が適切に確保できていないと、このようなことになります。
この記事では、オフィス内での働きやすい環境や動線・ワークスペースについて考慮すべき点について解説していきます。
人が通るのに必要なスペース
オフィス内では、人が通行するのに必要な通行幅やスペースがあります。
オフィスレイアウト基準寸法の中でも重要な部分です。
オフィスレイアウト基準寸法とは、オフィスをレイアウトする場合に目安となる寸法のことです。
この数値を理解してレイアウトを計画していけば、人が通行するのに必要なスペースも確保できる快適なレイアウトになります。
例えば、人が正面を向いて通路を通る場合は60cm幅が必要です。
横向きに通る場合は45cmです。
正面を向いて歩いてくる二人がすれ違うには、約120cmの幅を確保することになります。
120cmよりも狭い場合は、お互いが横向きになって横歩きですれ違うような感じになります。
椅子に座っている人の後ろを通る場合は、95cmの通路幅が必要となります。
机から椅子に座る人の必要な幅は45cmですので、机の後ろには、合わせて140cmの通路が必要となります。
人通りの多い場所では、さらに十分なスペースを確保しましょう。
特に出入り口付近は、細心の注意が必要です。
出社時や退社時は、相当の人が集まります。
また、お昼の休憩・食事時間も出入り口付近では、混雑が予想されます。
実際に1時間あたりどの程度の行き来があるのかカウンターなどを用いて数えておくと、あとでレイアウト計画を立てるときに役に立ちます。
動線のスタートとゴールは、出入り口です。
その重要な動線で最も注意しなければいけないのが非常時に対応したレイアウトです。
出入り口付近に十分なスペースが確保されていて、整理整頓や非常時の対策ができていなければ、スムーズな避難ができません。
怪我や事故はもちろん、災害に巻き込まれる原因にもなりかねません。
レイアウト計画をたてる際には、非常時の避難も考慮したスペースを確保することが望ましいです。
机に座ったときに必要なスペース
机に座った場合に必要なスペースは、オフィスレイアウト基準寸法では45cmとされています。
この寸法は、座った状態で必要な寸法ですので、この寸法でレイアウトすれば、人は、横歩きで机までたどり着かないといけません。
人が、正面を向いて通るのに必要な寸法は60cmですので、最低でも60cmは確保しましょう。
人が椅子に座ったり、椅子から立ったりする動作は、45cmですので90cmあれば理想的な机の後ろの通路です。
机の後ろが壁の場合で、人が通行するレイアウトでは、机と壁のスペースは、狭くて120cm、標準で140~150cm必要となります。
180cmの通路幅であればゆったりとした通路といえます。
人が机に向かって椅子に座っている後ろを通る場合の通路幅は95cmです。
少なくとも標準の140~150cmの通路を確保してレイアウトの計画を立てましょう。
例外的ですが、重役や責任者の机の場合で、後ろを人が通るレイアウトを計画しない場合は、あえて60cmの通路幅にする場合もあります。
デスクとデスクの間のスペース
デスクとデスクの間の通路については、オフィスレイアウト基準寸法をよく理解してレイアウトの計画を立てましょう。
デスクとデスクが並列に並んでいる状態から説明します。
並列に並んでいる状態とは、後ろの人が、前の人の背中を見て座っているようなレイアウトです。
この場合は、前のデスクと後ろのデスクの幅は、80cmとなっています。
通常デスクに座っている状態が45cmですが、前の人が立ち座りしやすいように35cmのスペースを確保すると80cmになります。
また、前の人と後ろの人の間を人が行き来するのでしたら、35cmのスペースでは、窮屈で行き来がしにくいので、75cmのスペースを開けましょう。
次にデスクに座る人同士が背中合わせの状態です。
この場合は、180cmが理想的で、最低でも120cmは必要になります。
デスクに座る必要な通路幅は45cmで、背中合わせですので、2倍の90cmがミニマムの通路幅です。
デスクに座るには、歩いて来なければならないので、座っている人の後ろを通行する通路幅の95cmを加えます。
厳密には、185cmですが180cmでレイアウト計画を立てるとよいでしょう。
デスクが、横並びの状態、つまり横に同僚のデスクがある場合では、デスクとデスクの通路幅は90cmあけるのが理想的です。
最低でも45cmは確保してレイアウトの計画を立てましょう。
一般的に人が正面を向いたときの幅が45cmですので、窮屈ですが通ることができる通路幅になります。
90cmは、この場合に限らず人が通行する上で、理想的な通路幅です。
家の設計や家具などにもよく用いられていますので、覚えておくと便利な数値です。
デスクとコピー機の間のスペース
オフィスに欠かせないものの一つにコピー機があげられます。
オフィスで使用されているコピー機は、単なるコピーだけではなく、パソコンのプリンターの役目も果たしていることが、通常になっています。
また、数人または、数十人のパソコンと繋がっていますので、コピー機の周りは、人が集まりやすい場所と認識してレイアウトの計画を立てましょう。
具体的には、コピー機から1番近いデスクで、120cmの幅が必要です。
また、150cmあれば、余裕をもって作業できる空間で、コピー機に近いデスクの従業員にも与える影響は少なくなります。
コピー機から100cmを下回るようなスペースでは、人の通行の妨げにもなりますし、作業効率が落ちる可能性もあります。
コピー機から近いデスクの従業員にも影響をあたえる可能性もあります。
コピー機周りのワークスペースは、慎重に計画する必要があります。
コピー機と壁のスペースにも注意が必要です。
コピー機の保守的な事項と作業しやすいスペースを考えれば45cmは最低確保しましょう。
100cmあればゆとりのあるスペースです。
間違っても壁にピッタリと設置しないように注意しましょう。
オフィスの中には、コピー機と並んで欠かせないものにオフィス家具があります。
その中でも書庫は、壁にピッタリ設置されている場合が多いです。
書庫は、書類の出し入れなど従業員が頻繁に利用する可能性が高いオフィス家具です。
ですので、通路ではなく相応のワークスペースを一番近いデスクとの間にあける必要があります。
オフィスレイアウト基準寸法では、140cmのスペースが必要となっています。
物理的なサイズだけでなく働きやすさも考慮して
オフィスを利用する人々が、最も効率よくストレスを感じないように動線の幅を考案しながらオフィスのレイアウトを計画することは大事なことです。
それだけで、快適なオフィス空間や働きやすい環境とはいえません。
動線の寸法を参考に仕事の流れを組み込んだレイアウトが必要です。
コミュニケーションが必要な仕事では、コミュニティ空間を設置する必要があります。
また、来客などにも配慮したレイアウトが必要なオフィスもあります。
限られたスペースの中で、空間を広く見せる工夫や各空間を効率よく利用できる工夫などオフィスのレイアウトには、組み込まなければならない要素がたくさんあります。
チェックポイントもあります。
メイン動線がしっかり確保されているか、行き止まりがなく回遊できるようになっているかなどは重要です。
また不要な動線や通路幅がないかなどもチェックしましょう。
どの動線がメインでどの動線がサブなのかも明確に理解する必要があります。
その上で、オフィス家具やオフィス機器・備品などが使いやすいように計画するには、オフィスをよく理解する必要があります。
各スペースの利用頻度や利用している従業員。
建物の設備なども理解して快適な仕事ができるレイアウトを考案しましょう。