色の組み合わせ次第で印象を変えられる
タイルカーペットの事例
「なんとなくオフィスの雰囲気が暗い」と感じたことはありませんか。
それはオフィスの床が原因かもしれません。
実は、床の色や素材を変えるだけで、オフィスのイメージはびっくりするほど変わります。
レイアウトの変更や家具を替えるのは大変ですが、床の変更は比較的容易です。
そこで今回は、オフィスに適した床材の選び方や色の組み合わせについて解説しましょう。
オフィス床のデザインの基本的な考え方
床のデザインは、はじめに床と天井との配色について考えなくてはなりません。
部屋の第一印象は、床と天井の配色が決定づけているのです。
ポイントは「下は重く・上は軽く」を意識することです。
つまり、原則として床には濃くはっきりした色を、天井には淡く明るい色を選ぶことで、部屋全体を広く開放的な印象に変えることができるのです。
色味選びでは一番重要な点ですね。
色にはそれぞれ人にもたらす印象や効果があり、オフィスのエリアごとに向いている配色というものが存在します。
例えば、一日中デスクに向かっているようなストレスの多いオフィスでは、ナチュラルカラーやアースカラーといった優しさや自然を感じさせる色が適しているでしょう。
ナチュラルカラーは明るいベージュやグレー・オフホワイトなど、アースカラーは大地や植物を連想させる濃いブラウンや
グリーン・カーキなどを指します 。
これらの色は心を落ち着かせ、デスクワークの疲れやイライラを軽減する効果があるといわれています。
来客や営業マンの出入りが激しいオフィスでは、冷静さや清潔感を与える青や水色・薄紫などの寒色系が、広報や企画を担当する部署では、エネルギーや発想力を促す黄色や黄緑・オレンジといったビビットなビタミンカラーがおすすめです。
逆にリフレッシュスペースでは、
興奮させる暖色やビタミンカラーは控えましょう。
グリーンやブラウン・アイボリーといったリラックスできる色合いがよいですね。
色が決まれば、自然と素材も決まります。
色と床材の与える印象はほぼ一致しているからです。
ブラウンやアイボリーのようなナチュラルカラーを使いたいなら、天然木のフローリングや木目の再現性が高い塩化ビニールのフロアタイルがふさわしいでしょう。
寒色系やビタミンカラーの場合は、イメージさせる素材について気にする必要はありません。
歩きやすさや音の反響具合・耐久性などを考慮してフロアカーペットにするかフロアタイルにするか決めましょう
。
素材選びは、使用する場所も考慮しなければなりません。
エントランスや廊下では、歩きやすさを優先してフローリングやフロアタイルが人気です。
逆に会議室や執務フロアなど静寂が求められる所では、音が反響しやすいフローリングはおすすめしません。
たいていの会社では、音を吸収しやすいフロアカーペットが導入されています。
かつて床材には、大理石や天然木といった格調高いものが好まれてきました。
しかし、現在ではほとんどの会社で利便性が高く安価なタイルカーペットとフロアタイルの2つが選ばれています。
色と素材が決まれば、次はデザインです。
デザインを考えるにあたっては、ゾーニングの役割を明確にする必要があるでしょう。
ゾーニングとは、空間を用途別に分けて考えることをいいます。
広々とした見通しのよいオフィスを作るには、パーティションや間切りを使わずに、床の色や素材を変えることでゾーイングを表現するのが一番です。
例えば、廊下やエントランスは木目調のフロアタイル、ミーティングスペースは明るい模様のタイルカーペット、執務エリアは重厚な色柄をというように素材を使い分けてみましょう。
同じ空間であっても、違う床材を使うだけで、機能的かつおしゃれなオフィスに早変わりしますね。
オフィス床にタイルカーペットを選ぶメリット
タイルカーペットは40~50cmの正方形をしたカーペットで、名前の通りタイルのように簡単に敷き詰めたり貼り合わせたりすることができます。
厚みは約1cm、素材にもよりますが1枚200~400円ほどで買えるリーズナブルな製品です。
タイルカーペットにはいくつものメリットがあります。
最大のメリットが、部分的に取り外し可能なため「掃除や手入れがしやすい」ことです。
汚れや劣化が気になるところだけを取り外し、洗濯したり新しいものに取り替えたりすることができます。
一部分だけ交換可能ですからコストも手間も抑えられますね。
さらに、1枚の重量が約1~1.5kgととても軽いため、作業も負担がかからず持ち運びも気軽にできます。
また、カットも組み合わせも自由自在で、「さまざまな模様やデザインが簡単に施工できる
」ことも大きな魅力でしょう。
1色でシンプルに、2色を交互に配して市松模様に、ラインでつなげればストライプにと、デザイン性に優れたリフォームがあっという間にできてしまいます
。
この特性を活用すれば、季節ごとにオフィスの雰囲気を変えることも可能ですね。
もちろん、カーブや凹凸に沿ってカットできますので、必要な部分にだけ施工でき、狭い範囲なら自分たちで床を貼り替えることも簡単です。
この他にも、滑らないので廊下の転倒防止や足音の防音対策にもなり、安価でありながらメリットの多い床材といえるでしょう。
見逃してはならないのが、タイルカーペットとOAフロアとの作業のしやすさです。
おしゃれなオフィスも、床にうねうねと配線コードが見えていたら台無しですね。
見栄えだけでなく、転倒やコードが抜けてデータが飛んでしまうといったトラブルの原因にもなります。
この配線問題を、床を二重構造にすることで解決したのがOAフロアでした。
床と床との間に新たに空間を作り、そこに回線コードをまとめて通すようにしたのです。
タイルカーペットはまさに、このOAフロア専用の床材といえます。
カーペットを一枚めくるだけで簡単に配線にアクセスできるため、配線の増設や変更も容易にできてしまうからです。
今ではボンドを使わない置き敷きタイプのカーペットも登場して、より施工が簡単になってきています。
モダンな雰囲気の床にしたいとき
モダンな雰囲気の床に仕上げたいなら、モノトーンやベーシュ・ブラウンといった控えめな色調を選んでみましょう。
シンプルなカーペットは飽きがきませんし、貼り方によっては毛の流れでデザインが違ってみえます。
「オフィスのデスクやチェアが無機質で味気ない」「変化がほしい」といった場合は、柄物に挑戦してもよいでしょう。
落ち着いた色であれば、派手目な柄もカーペットだけが浮いてしまうといったこともありません。
柄だけでなく、配置方法や色のチョイスにも工夫の余地があります。
ストライプ柄を縦横交互に並べて変化をつけたり、2色を規則的に並べたりするのもおもしろいでしょう。
ポップな雰囲気の床にしたいとき
ポップで明るい雰囲気にしたい場合は、色の組み合わせで模様を作ってみましょう。
例えば、グレーとイエローを合わせた「チェッカー模様」は、目にやさしく自然と笑顔になるようなかわいらしさがあります。
少し大胆に、ホワイト・ブルー・ネイビーの3色を使った「ギンガムチェック」は、寒色系であるため意外にもすっきりとして見えますね。
給湯室など、清潔感重視の床にマッチするかもしれません。
最後は、さまざまな色を組み合わせた「カラフルポップ」です。
ブルー・イエロー・レッド・ホワイトといった原色を使った方法で、センスがものをいうので難しいですが、うまくいけば個性と魅力あふれる仕上がりになるでしょう。
色の組み合わせは無限だから働く人のことを考えたデザインを
タイルカーペットは、色の組み合わせや貼り方次第で、多様な印象を作り出せることがわかったのではないでしょうか。
とはいえ、奇抜すぎる色や模様を選んでしまうと業務に支障が出かねません。
働く人の立場になって、みんなが気持ちよく仕事ができるデザインを考えてくださいね。