ご契約者様インタビュー
※記事は2025年6月のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。
株式会社TWiGGY「WHiTE kitasando」 様
本社を愛媛に構え、東京・表参道での展開を経て、2024年、理想の空間を求めて路面の新築物件への移転を決断。長年にわたり培ってきたお客様との信頼関係を大切にしながら、地域とのつながりも育む新しい店舗が誕生しました。今回は WHiTE kitasando 代表の綱島様に、移転の背景や店舗づくりへの想い、そしてこれからの展望について伺いました。
移転概要
- 業種:
- 美容室
- 住所:
- 東京都渋谷区千駄ヶ谷3丁目55-7 パルク北参道
- 規模:
- 25.89坪
- サポート内容:
- 仲介
揺らぐ街の風景と、変わらない想い
アットオフィス(以下AO) : まずは、今回の移転に至った経緯について教えてください。
綱島様 : 本社は愛媛にあり、美容室を30年ほど経営している会社です。移転前は東京支店として、表参道の非常に良いロケーションに店舗を構えていました。ただ、コロナ禍やインバウンド需要の変化もあり、表参道の街の様子が徐々に観光地化してきたのを感じていました。
私たちが大切にしているお客様のことを考えたとき、「この先10年、20年、ここでサービスを提供し続けられるのだろうか?」という疑問が浮かぶようになりました。そこで、コロナ禍の頃から移転先を探し始めました。
移転に際し、新築・路面店・駅近、そして3路線以上利用可能な立地で、というのが条件でした。我ながら少しわがままかなとも思いましたが、どうしてもこの条件は譲れませんでした。
その結果2〜3年探し続けて、ようやく見つけたのが今の場所です。アットオフィスさんの社長に相談したらすぐに物件探しに動いていただいて、当時市場に出る前だったこの物件を紹介していただきました。会社に確認する必要があり即決はできませんでしたが、心の中では「ここしかない」と思っていました。

AO : それほど綱島様の大切にされていた条件に合致する物件だったということですね。実際に移転されてみて、変化はありましたか?
綱島様 : はい、大きく変わりました。
最寄り駅は原宿駅・北参道駅・明治神宮前駅の3路線でアクセスがよい一方、「原宿」というワードに対してご年配のお客様は「若者の街」という印象を持たれやすいのですが、実際は静かな住宅街の中にあります。小さなアパレルショップやオフィスも多く、意外と落ち着いた環境です。
オープン前から地域の方々が「ここに何ができるの?」と声をかけてくださって、オープンと同時に名刺やショップカードを取りに来られた方もいらっしゃいました。この土地は、SNSなどのデジタルだけではなく、“昭和のアナログなプロモーション”も通用する、温もりのある場所だと感じています。
前の店舗は観光地色が強くて、観光客の波の中をかき分けてご来店いただくような状況でした。それに比べて、今はずっと落ち着いています。

届けたい空気感、詰めたいこだわり
AO : 新しい店舗のこだわりや、移転時に苦労されたことがあれば教えてください。
綱島様 : コンセプトや空間の“空気感”は、ほぼすべて自分ひとりで、お客様一人ひとりの顔を思い浮かべながら考え抜きました。内装や導線、光の入り方、座る位置からの景色まで、自分の中にある「こんな空間で過ごしてほしい」という理想をとことん詰め込んだつもりです。
働くスタッフに直接どう感じているかを聞いたことは正直ありませんが、日々の様子を見ていると、皆が自然体で働けていて、お客様もリラックスした表情で過ごしてくださっている。そういった光景を見られるのが、何よりの答えかなと思っています。

移転にまつわる苦労は本当に数えきれないほどありましたが、特に印象的だったことが2つあります。
1つ目は、前の店舗で使っていた特注のカウンターを新店舗に持っていくこと。
このカウンターは、お店を象徴する存在としてどうしても手放せなかったんです。重さはなんと約180kgもありました。搬出するにも一筋縄ではいかず、業者さんからは「壊れても保証できない」と言われるほどの代物でした。ですが、どうしても移設したかったので、自分を含めた4人がかりで階段を降ろしました。しかも、もっとも壊れやすく、最も重い下の部分を自分が担当したんです。ギリギリの幅を見極めながら、慎重に、そして必死に運んだあの光景は、今でも鮮明に覚えています。
カウンターひとつとっても、空間に対する自分の“執着”というか“想いの深さ”が出てしまったなと、あとから思いました。
2つ目は、新築物件ならではの準備不足や手続きの複雑さでした。
契約時点では、電気メーターやガスメーターといったインフラ設備がまだ取り付けられていなかったんです。しかもそれらの設置に関しては、不動産会社や管理会社ではなく、東京電力の指定業者に依頼しなければならないという制約がありました。
ただでさえ新店舗のオープン準備で手一杯な中、法律や手続きの壁が想定以上に高かったです。必要書類を揃えたり、施工のスケジュールを調整したりと、裏側ではかなりの労力がかかっていました。
一時は「オープン日に間に合わないかもしれない」という不安にも襲われましたね。
AO : それは本当に大変でしたね。
綱島様 : はい。でも、そうやってひとつひとつ自分たちの手で積み重ねてきたからこそ、この店舗には特別な“温度”があるような気がしています。
想いがこもった場所は、不思議と空間全体にもその雰囲気が宿るものだと思っていて──お客様にも、スタッフにも、それが少しでも伝わっていたら嬉しいですね。


物件選びは“街選び” ── 五感で感じる下見のすすめ
AO : 今後、移転を考えている方へ、アドバイスをお願いします。
綱島様 : まず、不動産屋さんと話すときはロケーションや坪単価、レイアウトなどに意識が向きがちですが、それだけでは不十分です。
実際にその街を最低でも50回は歩いてみてください。そこにどんな人が住んでいるのか、何があるのか、自分の足で確認することが本当に大切です。
私は名刺を配って挨拶回りをしたり、近所の方には菓子折りを持参したりと、いわゆる“昭和のやり方”をしましたが、それが功を奏して地域の評判がとても良くなりました。
また、「この辺りに〇〇ある?」とお客様に聞かれたとき、すぐ答えられるような地域情報を持っておくこともサロンにとっては大事です。自分たちが “仕事をさせてもらっている” という意識を忘れないようにしたいと思っています。

AO : インターネットなどで調べるだけでなく、実際に自分の目や肌でその土地を感じることが重要なんですね。物件探しに関しても、何か気をつけたほうが良いことはありますか?
綱島様 : はい。法律的な制約が多いので、消防法や電気・ガスのことなど、早めに不動産屋さんから情報を集めておくといいです。
あとは、将来的に店舗を拡張したり、スタッフが増えたりすることも想定して、少し余力を持った物件選びを心がけると安心です。

人が集い、想いが重なる場所をつくりたい
AO : 最後に、今後の展望についてお聞かせください。
綱島様 : この店舗で働くすべてのスタッフが、それぞれの夢を叶えていけるように。そして、まるでひとつの家族のように、みんなが一緒に幸せを築いていける場所にしたいと思っています。
お客様にとっても、スタッフにとっても、「ここに来るとホッとする」と思ってもらえるようなサロンを、これからも丁寧に育てていきたいです。
AO : 本日は貴重なお話をありがとうございました。

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オフィス移転は社内・社外ともに非公開に行われることが殆どです。そのためアットオフィスでは、基本的に訪問によるコンサルティングを行っておりますが、ご来店の相談も歓迎です。