居抜きオフィスの探し方やコツ・注意点について解説!
オフィス移転は企業にとって大きなターニングポイントとなる重要なプロジェクトです。成長を目指すスタートアップや中小ベンチャー企業において、特にオフィス選びはビジネスの成功を左右する要因の一つともいえます。限られた予算やリソースを最大限に活用し迅速に業務を開始するために「居抜きオフィス」という選択肢が注目されています。本記事では居抜きオフィスのメリットや探し方、注意すべき点について詳しく解説します。ぜひオフィス選びにお役立てください。
居抜きオフィスとは
居抜きオフィスとは、前入居者が使用していた内装や什器が「そのまま」残っている状態で新たに貸し出されるオフィスのことです。一般的に、通常オフィスを構える際には内装のデザインや工事、什器の設置など多くのステップを経た後オフィスとして使えるようになりますが、居抜きオフィスはその行程を比較的コンパクトにできるため、コストと時間の大幅な削減が可能です。
居抜きオフィスのメリット
コスト削減
居抜きオフィスの最大のメリットは初期費用の大幅な削減です。一般的なオフィス移転では内装工事や家具の購入に多額の費用がかかりますが、居抜き物件ではそれらが既に揃っているため、新たに資金を用意する必要がありません。特に、限られた予算で効果的なビジネス展開を目指すベンチャー企業やスタートアップにとって、初期費用が抑えられることは大きなメリットです。
入居までの時間短縮
一般的な通常のオフィス移転では、内装工事や什器の搬入などに数週間から数ヶ月もかかります。しかし、居抜きオフィスでは既に内装が(場合によっては什器も)揃っているため、契約締結後に比較的すぐに新しいオフィスで業務を開始することができます。これにより迅速なビジネス展開が可能になるため、市場環境や事業計画に応じた柔軟な対応をしやすいです。
既存設備の活用
居抜きオフィスには、前の入居者が残した造作や什器なども引き継ぐことができる場合が多いです。引き継いだ造作や什器などはそのまま利用できるため、新しいオフィス環境を比較的素早く構築でき、業務効率の向上に繋がります。
循環型社会の実現
居抜きオフィスは前のテナントの造作や什器をそのまま活用することで新たな資源の消費を抑えるだけでなく、産業廃棄物の削減に繋がり、「循環型社会の実現」に貢献できます。
居抜きオフィスの探し方
居抜き物件情報サイト検索
居抜き物件専門の物件サイトがいくつか存在します。これらのサイトを活用することで、多くの物件情報を一度に確認することができます。仲にはエリアや広さ、賃料などの条件を入力して検索ができるものもあり、ニーズに合った居抜きオフィスを効率よく見つけることができます。サイト上では随時リアルタイムで物件情報が更新されるため、定期的に最新情報を逃さず確認することが重要です。アットオフィスでは居抜き物件を数多く掲載しております。室内の写真も豊富に掲載しているため、お問合せ後のミスマッチが少ないことが特徴です。
信頼できる仲介会社を利用する
居抜きオフィスを探す際は信頼できるオフィス仲介会社を見つけることも重要です。仲介会社は豊富な物件情報を持っており、企業のニーズに合わせて物件を紹介してくれます。また、貸主や入居テナントより依頼を受けWeb非公開になっている物件の紹介も受けることができます。その後の内見や契約手続きについてもプロのアドバイスを受けながら安心して進めることができるためオススメです。アットオフィスでは専属のサポート担当者をお付けし企業の課題や展望に沿ったご提案・ご契約サポートを行っています。
条件を明確にする
オフィス選びにおいてまず自社の現状抱えている課題を明確にすることが重要です。具体的には、課題改善のために移転をする場合の希望するエリアや広さ・必要な設備・予算などの条件を整理し、それに基づいて物件を探していきます。課題とその解決のために必要な条件を明確にすることで適切なオフィスを効率的に探し、絞り込みやすくなります。
市場のトレンドを把握する
オフィス賃貸市場のトレンドを把握することも重要です。不動産会社が定期的に公開しているマーケットレポートや他の会社の移転事例、最新の市場動向を定期的にチェックすることで普段のオフィス探しがより楽になります。エリア毎の賃料相場や空室率が分かれば良い物件が出たときに気づけるようになり、社内へのプレゼンにも活用できます。アットオフィスでは「都内主要エリア賃料坪単価レポート」を毎月公開しています。その他にもオフィス探しに役立つお役立ちコンテンツなど随時更新しており、オフィス探しを楽にできるコンテンツを揃えております。
居抜きオフィスを借りるときの注意点
物件の状態確認
居抜きオフィスを借りる前には必ず、借りる物件・貸室の状態を事前にしっかりと確認することが必要不可欠です。内装造作や什器が実際に使うことができるか、契約前にしっかりとチェックしましょう。また、契約締結前に、将来造作や什器の老朽化で修理や交換が必要になる場合に備え、誰がどういったかたちでその負担を行うのかも合わせて確認をしておく必要があります。
契約条件の確認
どの契約もそうですが、契約書に記載されている内容を詳細に確認しておくことも大切です。特に、修繕義務や退去時の原状回復義務などは居抜き入居特有の条文が追加されている場合が多く、重要なポイントです。事前にしっかりと確認し不明点や疑問点・パターン検証をしておくことで、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。
退去時の条件確認
居抜きオフィスを借りる際には、退去時の条件についても詳しく確認しておくことが大切です。退去時にも入居時と同じようにそのまま居抜きで退去できるのかどうかの確認や、退去時の費用負担範囲、必要な修繕の範囲などを事前に把握しておくことで、将来的なリスクを予め予測することができます。
居抜きオフィスを退去するメリット・デメリット
メリット
居抜きオフィスを退去する際のメリットは、次の入居者にそのまま貸し出すことができるため、退去手続きが比較的スムーズに進む点です。また原状回復費用も不要となることが多いため、かなりのコスト削減につながり、その費用を次の移転先の工事費用や別事業に費やすことができます。
デメリット
一方、デメリットとしては今の内装が後継テナントにそのまま引き継がれてしまうため、後継テナントからすれば前の入居テナントがどのように使っていたかどうしても分かってしまう点です。後継テナントが競合他社の場合もございますので、機密性の高い業種には向いていないかもしれません。
居抜きで退去するときの注意点
修繕義務の確認
入居中のオフィスを居抜きで退去したい場合、現在の造作・什器について修繕が必要な場合には誰がその費用を負担するのかを確認しておくことが重要です。予期せぬトラブルを防ぐため、入居中オフィスの契約内容を再度確認し、必要であれば事前に修繕を行うようにしましょう。
次の入居者への影響
居抜きで募集ができる期限と後継テナントが入居できるタイミングを予め確認しておきましょう。一般的には、居抜き募集を貸主が承諾した場合でも、後継先が見つからなければ原状回復をしなければなりません。予期せぬ出費にならないように、事前にいつまでに後継テナントが見つからなければ原状回復工事をする必要があるのか確認しておくことが重要です。また引継ぎ先が見つかった場合でも自社の退去・移転スケジュールと合わなければ引継ぎできない可能性が高いため、退去日や後継テナントの入居可能日なども予め確認をしておくことをオススメします。
まとめ
居抜きオフィスは、スタートアップや中小ベンチャー企業にとってコスト削減・移転行程短縮にとても重要な選択肢の一つです。しかし、居抜きオフィスの選定や契約は、一般のオフィスより契約内容や引き渡し状況など細かく確認をすることが重要です。しっかりとした事前準備と計画をすればかなりお得にオフィス移転をすることができます。ぜひ本記事を参考に最適なオフィスを見つけてください。
当記事の監修者
岡田 育浩 | 専務執行役員 執行部統括部長
得意分野:オフィスビル賃貸仲介・リーシング・PM、事業用不動産サブリース、滞納管理、立退案件、訴訟示談交渉、WEBマーケティング
2004年に不動産業界に入る。オフィスビルの賃貸仲介を中心に、老朽化ビルの再生活用支援、サブリースや管理ビルの資産運用など、オフィスビルを中心に店舗クリニックなどの用途を含め事業用不動産の領域を専門とする。Webを中心としたマーケティング領域も得意分野。オフィスを探している、オフィスが埋まらない、オフィス以外の用途で賃貸に出す方法が分からない、賃貸ビル経営の事業承継など、現在の形にとらわれない柔軟な発想でビルの資産価値向上に尽力している。